人材不足やIT技術の進化などの変化に対応するため、自社の事業方針に合わせて人材育成することが非常に重要です。政府もリスキリング支援に注力することを表明しています。

リスキリングは単なる学び直しではなく、自社の経営戦略と連動させて行うことが重要といわれています。そのため、取り組みにかかる負担を軽減するために、助成金や給付金が用意されています。

そこで、今回はリスキリングや助成金・補助金の基本的な知識、リスキリングに活用できる助成金・給付金を解説します。

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リスキリングとは

リスキリング(学び直し)とは、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と経済産業省が定義づけています。

リスキリングの必要性

リスキリングが提唱されたのは2018年のダボス会議(世界経済フォーラム)です。将来の経済においてリスキリングが重要な課題として認識されるようになりました。

日本においてリスキリングが特に注目されるようになったのは、従来の事業体制を変革するために、DXを推進する企業が増えていることが挙げられます。
DXの推進が普及している理由として、競合他社との競争における優位性を確保する、コストを削減し生産性を向上するなどがあります。
また、AIの台頭により将来的に不要になる業務も出てきています。雇用を継続するために、従業員の新たな能力開発を目指す必要が出てきました。

DXの推進以外にも、コロナウイルスの流行前後の働き方や価値観の変化に対応するため、リスキリングが注目を浴びています。

こうした社会の変化に対応する手段としてリスキリングの必要性が増しているのです。

DX推進に活用できる助成金・補助金についてはこちらをご覧ください。
関連記事:【2023最新】DX推進に活用すべき助成金・補助金とは?DXに必要な要素や費用についても解説

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リスキリングに利用できる「助成金・給付金」とは

リスキリング導入のための支援として、政府は助成金や給付金を用意しています。ここでは、助成金・給付金の基本的な知識を解説します。

助成金とは

助成金とは、厚生労働省や地方自治体が管轄している返済不要な公的資金です。各助成金で定められている受給要件を満たすことで受給できます。

補助金との違い

補助金も助成金と同様に、返済不要な公的資金です。
助成金との大きな違いは、受給要件を満たしていても、100%受給できるとは限らない点です。補助金は、予算の限りや定員があるため、審査によって採択されないこともあります。そのため、受給難易度は補助金の方が高くなっています。

助成金や補助金、給付金の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:助成金とは?注意点など知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説!

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「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

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リスキリングに活用できる助成金一覧

ここでは、リスキリングに活用できる助成金を紹介します。

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、雇用する従業員に、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練などを実施した場合に助成される制度です。労働者の段階的なキャリア形成や職業能力開発に関する取り組みを促進させることを目的としています。

助成対象となる労働者は、週20時間以上の労働を行う雇用保険の被保険者です。

以下の7つのコースがあります。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

それぞれのコースにより、受給対象や助成額、助成率は異なります。詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2023年最新】人材開発支援助成金とは?各コースを徹底解説

【東京都】DXリスキリング助成金

DXリスキリング助成金は、東京しごと財団が実施している助成金です。DXに関する職業訓練またはeラーニングなどを実施する際にかかる訓練経費の一部が助成されます。

DXリスキリング助成金の対象は、主に以下の6つを満たす企業です。

  • 都内に本社や事業所の登記がある中小企業や個人事業主
  • 訓練に要する経費を従業員に負担させていないこと
  • 国や地方公共団体からの助成を受けていない訓練であること
  • 勤務時間内に訓練を実施していること
  • 過去5年間に重大な法律違反がないこと
  • 労働関連法令を遵守していること

助成額は、助成対象経費の2/3(上限64万円/年度)です。助成対象となる経費は、受講料や教材費、eラーニング実施のための登録料・管理料などが含まれます。

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【個人向け】リスキリングに活用できる給付金一覧

ここでは、リスキリングに活用できる個人向けの給付金を紹介します。

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度とは、働く個人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援する制度です。雇用促進と安定を図ることを目的とし、厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されます。

対象となる教育訓練は、以下の3つの種類に分けられており約15,000講座があります。

教育訓練の種類 対象講座の例
専門実践教育訓練
  • 業務独占資格などの取得を目標にした講座
    介護福祉士、看護師、美容師など
  • デジタル関係の講座
    ITSSレベル3相当以上のIT関係資格取得講座
    第四次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)など
特定一般教育訓練
  • 業務独占資格などの取得を目標にした講座
    介護支援専門員実務研修、大型自動車第一種・第二種免許など
  • デジタル関係の講座
    ITSSレベル2相当以上のIT関係資格取得講座など
一般教育訓練
  • 資格の取得を目標にした講座
    税理士、社会保険労務士、Webクリエイター、CAD利用技術者試験、宅地建物取引士など
  • 大学院などの課程
    修士・博士の学位などの取得を目標とする課程

また、それぞれの訓練の給付率は以下のとおりです。

  • 専門実践教育訓練:最大で受講費用の70%(年間上限56万円)
  • 特定一般教育訓練:最大で受講費用の40%(年間上限20万円)
  • 一般教育訓練:最大で受講費用の20%(年間上限10万円)

公的職業訓練

公的職業訓練とは、失業した求職者を対象に行われる職業訓練制度です。会社を退職すると、条件により異なりますが失業保険を受けられます。公的職業訓練を行うには、失業保険を受けながらハローワークで就職活動を行うことが条件です。

職業訓練の内容は、事務職一般に必要なパソコンや簿記の技能、宅地建物取引士、Webサイト制作、アプリ開発などのさまざまな分野があります。

まとめ

人材不足が深刻化し、IT技術が進歩する中で、企業は自社の社員のスキルアップを講じる必要があります。そのため、リスキリングは企業のDXを推進するうえで欠かせない重要な施策です。

政府もリスキリング支援に注力しているため、多くの助成金や給付金などの支援を用意しています。助成金は、受給要件を満たせば基本的に支給されるため、活用することがおすすめです。

助成金サポート.JPでは、助成金申請を完全サポートしています。これからリスキリングに利用できる助成金の申請を検討される場合には、まずご相談ください。
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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。