雇用保険には助成金制度があり、中小企業などが雇用維持・拡大をする場合などに活用ができます。助成金の制度を賢く活用することは経営の安定や拡大に役立つでしょう。
しかしながら、助成金の種類は多岐に渡り受給できる条件を一つひとつ確認するには大変な労力が必要です。自分にあった助成金を見つけても申請手続きには手間がかかります。
そこで大きな助けとなるのが助成金代行サービスです。
助成金代行サービスを利用すれば、社労士など専門家が助成金の受給条件を満たしているかの判断のサポートや、申請の手続きを事業主の代わりに行ってもらうことが可能です。
以下では、助成金申請の手続きの仕方や、代行業者を活用するメリットについてより詳しくご紹介させていただきます。
目次
助成金の受給条件
まずは事業主として下記の要件を満たす必要があります
○雇用保険に入っている。
○過去2年間で雇用保険の滞納がないこと。
○会社都合で従業員を解雇していないこと。
○残業未払い等、労務違反を犯していない
今は雇用保険に入っていなくてもこれから加入することで申請可能になります。
中小企業向けの助成金とは?
助成金とは、厚生労働省が管轄している補助金を指すことが一般的です。一定の条件を満たした会社は助成金として資金を受給することができます。
助成金のメリットは、返済の必要がないことです。雇用保険料は従業員が負担する分と事業主が負担する分がありますが、事業主負担分には助成金の財源となる分が含まれています。
雇用保険というと、仕事を辞めたときにもらえる失業保険に使われていると思いがちですが、実は、その一部は、この助成金にも使われているのです。雇用保険料から賄うため、助成金は返済不要となっています。
助成金制度は、中小企業向けの事業継続・拡大のための補助金や雇用維持・拡大のための補助を目的するものが多いです。
給与や設備などの経費の一部を補助する助成金や、特定の雇用を増やしたり維持したりする場合に受給できる奨励金などがあります。助成金を受け取るためには、助成金の種類や申請期間を知っておかなくてはいけません。
助成金を受給する機会を逃さないためにも専門家の協力やサポート得て賢く利用することが大切です。事業にあった助成金の種類を確認したい場合や、手続きに関してサポートを得たい場合は社会保険労務士や社会保険労務士法人に相談するとよいでしょう。(※1)
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説おすすめの助成金
◆キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は非正規雇用社員を正社員への転換、賃金の改定など、企業内での処遇の改善を行った事業主に対して一定の額が支給される制度です。
たとえば、有期契約の従業員を正社員に転換し、それから6ヶ月以上雇用すると1人あたり57万円が受給できます。
◆両立支援等助成金
この助成金は従業員が出産や育児、介護を働きながらも両立できる環境作りのための制度です。
2018年度は以下の5つのコースがあり、育児休業等支援コースに関しては中小企業限定で利用ができます。
○出生時両立支援コース
○介護離職防止支援コース
○育児休業等支援コース
○再雇用者評価処遇コース」
○女性活躍加速化コース
上記、助成金についてより詳細に知りたい方はこちらをご覧ください。
助成金をもらうための手続き
厚生労働省からの助成金を受給するには、まず、申請の前に助成金を受給できる資格があるかどうかを自ら判断してから申請手続きが必要です。そのため、助成金制度と手続きを正しく理解しなければいけません。
助成金受給の一般的な要件としては事業所が雇用保険に加入していることがあげられますが、雇用保険料から助成金が賄われることを考えると当然の条件です。
法定帳簿や就業規則などが整備されていることも合わせて求められます。これらの書類は申請時に提出する場合があります。さらに過去の一定期間内に会社都合による退職者がいないことが条件となる場合もあります。その上で助成金ごとの条件も満たさなくてはなりません。
仮に、雇用拡大に対する助成金であれば従業員が何人増加したか、雇用維持が条件であれば維持した期間などが問われます。
これらの条件が全て整った上で、必要な書類を準備し申請手続きを行わなければいけません。
事業主自ら行うこともできますが、制度は複雑で毎年要件の改正が行われている助成金も存在するため、経営業務をしつつ自ら助成金の申請準備を行うのは難しいです。(※2)
助成金申請代行サービスとは?
助成金を受給するための手続きが大変で受給申請をあきらめてしまっている事業主もいるかもしれません。そんな時こそ、助成金申請代行サービスの活用がおすすめです。社会保険労務士や社会保険労務士法人は申請代行を行っているところもあります。そういったサービスを活用すれば受給できる機会を逃さずに済むでしょう。
社労士によっては助成金が得意ではない場合もあります。助成金受給のノウハウや経験が豊富かどうかなどしっかり調べてから頼みましょう。
申請代行サービスを利用するメリットは面倒な手間が省けて、助成金が確実に受給できるということです。制度についての概略を理解するだけで、細かい条件や手続きは専門家に任せることができてしまいます。もちろん、申請に必要な書類をそろえる作業についてもサポートを得ることが可能です。
申請手続きに必要な専門知識を持ったプロに任せることによって、手続きの不備で助成金を受給できなくなるリスクを大幅に軽減ができます。
申請代行に対する報酬は支払う必要がありますが一般的には助成金を受給できた金額の一定率を報酬として支払うことになりますので、持ち出しになることはないはずです。
助成金申請代行サービスを活用して経営に役立てよう
雇用保険の助成金制度は国が「こういった事業主をサポートしよう」という政策意図が形になったものですので、積極的に活用した方がよいでしょう。助成金は返済不要の資金ですので経営の安定に大いに役立つはずです。
ただし、事業主自ら全て制度を把握するのが困難なほど助成金制度は数多く存在します。雇用維持に対するものから新たな従業員の雇い入れに対するもの、職場環境の改善や能力向上機会の提供、さらには障害者雇用に対する制度もあります。(※1)どういった制度が自社に該当するのかを判断するのは大変ですよね。
該当する助成金を見つけてからも、手続きにも相当な労力を割く場合が多いです。 どんな助成金を受給できる可能性があるのかの判断や手続きは積極的にアウトソーシングしましょう。制度の活用をすることで事業経営をさらに発展につながります。
おわりに
助成金を申請するためには、受給条件の勉強、実際に申請書を作成、決まった申請期間内に役所に提出へ出向くなどの時間的、体力的な負担が多岐に渡って発生します。
この作業を助成金申請のノウハウを持っている社会保険労務士や社会保険労務士法人に依頼すれば、本来の業務に専念しながら助成金を受け取ることが可能です。
事業の発展のためにも代行サービスを活用して確実に助成金をもらいましょう。
※1.【厚生労働省】各種助成金・奨励金等の制度 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/joseikin_shoureikin/
※2.【厚生労働省】事業主の方のための雇用関係助成金 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index.html