厚生労働省から支給される返済不要の助成金は個人事業主や中小企業の資金調達方法の一つとして非常に有効な手段になります。
今回は、そんな助成金を受給するためにはどのようにすれば良いのかということについてご紹介していきたいと思います。
目次
助成金の受給する前に準備しておくべきもの
助成金には複数の種類がありますが、どの助成金を受給する場合でも共通で以下のようなものを用意する必要があります。
- 被保険者資格取得の届出を行っていること
- 支給要件申立書を提出すること
- 支払方法・受取人住所届を提出すること
これらについて以下で解説していきます。
被保険者資格取得の届出
助成金の受給には以下の条件があります。
- 正社員が1名以上いる又は採用予定の企業様
- 雇用保険・社会保険に加入している・する予定の企業様
- 会社都合の解雇を半年以内にだしていない・この先出さない企業様
- 労務違反を犯していない企業様(残業代未払い・過度な残業等)
助成金の財源は雇用保険の一部です。労働者を一名でも雇用していれば雇用主はこの雇用保険を支払う必要があります。
この雇用保険を支払っていること…これが助成金の受給条件になりますから、「従業員を1名以上雇用し、ハローワークに届け出をしていること」これが条件になります。
支給要件申立書の提出
支給要件申立書とは、「助成金の受給資格があるかどうか」を証明するための書類になります。
例えば、「過去に助成金を不正受給していないか」や、「反社会的な勢力ではないか」など、これを証明するための書類です。
こちらからDLすることが可能です。
支払方法・受取人住所届の提出
支払い方法・受取人住所届とは、事業所番号や法人口座番号を記載する書類です。特に難しいものではなく、指定されている番号や住所を記入していくだけです。
こちらからDLすることが可能です。
助成金申請の流れ
助成金には複数種類があり、それぞれ条件は異なりますがここでは多くの助成金に共通する大まかな流れについてご紹介してきます。
まずは流れをまとめると以下のようになります。
- 実施計画の策定
- 各助成金の計画届けの提出
- 計画の実行
- 支給申請
- 労働局の審査
- 支給
細かく説明していきたいと思います。
実施計画の作成
各助成金の実施計画を策定します。「○月○日に××をして、△△さんの給与を上げる……。」という、助成金の支給要件に従った実施計画書になります。
計画届けの提出
休業等実施計画届や休業協定書・教育訓練協定書といった書類がこれに当たります。
各助成金ごとに対応するフォーマットが異なりますので、申請したい助成金の詳細ページを確認してチェックしてみましょう。
参考までに雇用調整助成金の場合は休業等実施計画(変更)届というものを提出する必要があります。
計画の実行
計画して実施しなければ不正受給になってしまいますから、実行に移します。
教育訓練に関する助成金などの場合はセミナー参加が証明できる領収書などをもらっておきましょう。
支給申請
計画を実行できれば次に支給申請を行います。これも各助成金ごとにフォーマットが異なりますので、各助成金の詳細ページをチェックしてみてください。
審査
この段階で計画した内容が本当に実行されたのか、労働法などに違反していないか、不正受給ではないかという審査が行われます。
実地調査が行われたりもしますが、助成金の受給条件に「審査や調査に協力すること」というものがありますので、おとなしく従いましょう。
支給
審査の結果、助成金の受給条件を満たしていると判断されれば法人用の口座に助成金が振り込まれます。この時個人の口座では助成金を受け取ることができませんので注意してください。
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説まとめ
助成金を受給するためには、従来よりも簡素化されているとは言え、様々な書類を用意する必要があります。また、そもそも労働法を守れているか、受給資格があるのかということについても事前に理解しておかなければいけません。
こういった面倒な手続きは事業主が行うこともできますが、社労士に代行してもらうことも可能です。
助成金の取得をする多くの企業は、受給のために調べ物をしたりすることが労力に見合わないため、社労士に代行してもらうことが多いです。
当サイトの読者たる皆さんも一度社労士への申請代行依頼を検討してみてはいかがでしょうか?