会社を設立する際には、設立資金だけでなく、人件費や設備費等、運用に要する資金も準備しておく必要があります。

その際に役立てたいのが助成金・補助金です。受給できれば返済不要で資金を調達できるため、多くの企業が利用している制度です。

そこで、この記事では会社設立に利用できる助成金・補助金の概要や申請の流れを解説します。

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会社設立に活用できる助成金・補助金とは

まず、ここでは助成金と補助金の概要を解説します。

助成金とは

助成金とは、厚生労働省が主導する支援制度です。
原則として返済が不要で支給要件を満たすと受給できるため、会社設立したばかりの企業も利用することがおすすめの制度です。

補助金とは

補助金とは、主に経済産業省が主導する支援制度です。
原則として返済が不要であることは助成金と変わりませんが、補助金は審査を受けて採択されなければなりません。そのため、助成金よりも難易度が高いといえます。

助成金と補助金の違いは、以下の記事をご覧ください。
関連記事:補助金と助成金の違いとは?それぞれの流れや注意点、交付金や給付金との違いもわかりやすく解説!

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会社設立に活用できる助成金・補助金一覧

ここでは、会社設立に活用できる助成金・補助金を紹介します。

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、パート・アルバイトや派遣社員、契約社員などの非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善を行った場合に支援される助成金です。取り組み内容により、以下の6つのコースに分かれています。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 賞与・退職金制度導入コース
  • 社会保険適用時処遇改善コース※令和8年3月31日まで

会社設立したばかりの企業でも、全てのコースを利用できる可能性があります。ただし「就業規則を6か月以上適用すること」「就業規則を改定後、改善した待遇を6か月以上継続する必要があること」などが支給要件に含まれます。そのため早めに準備することが必要です。

助成額は各コースにより異なります。
例えば中小企業が正社員化コースに取り組んだ場合、助成額は80万円(40万円×2期)です。

キャリアアップ助成金の各コースの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2024年最新】キャリアアップ助成金とは?各コースを徹底解説

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金とは、働き手が少なくて人材確保が難しい地域に事務所を設置し、求職者を雇用した場合に支援される助成金です。以下の2つコースに分けられています。

  • 地域雇用開発コース
  • 沖縄若年者雇用促進コース

助成額は各コースにより異なります。
例えば地域雇用開発コースのうち、事務所の設置費用が300万円で対象労働者の増加人数が3人の場合、支給金額は50万円(1年ごとに最大3回)です。また中小企業主であれば、支給金額が加算される可能性があります。

創業助成金

創業助成金は、東京都中小企業振興公社が主導している制度です。
そのため、東京都内で会社を設立することが求められます。具体的には、東京都内で創業を具体的に計画している個人や創業後5年未満の中小企業者などのうち、一定の要件を満たすことが必要です。

以下の3つの経費が助成対象となっています。

  • 事業費:賃貸料や広告費、器具備品購入費など
  • 人件費:従業員にかかる人件費
  • 委託費:市場調査・分析費

助成率は2/3以内、助成限度額は最大400万円(下限100万円)です。
創業前から利用できる可能性があるため、これから会社設立を目指す個人にもおすすめの助成金です。

参考:東京都創業NET「融資・助成制度|創業助成金(東京都中小企業振興公社)」

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)とは、中小機構が主導する助成金制度です。中小機構や特定の都道府県、金融機関などがファンド(基金)を造成し、中小企業などを支援しています。
会社設立や販路開拓などに取り組む事業者を支援する目的で、以下の2つのファンドに分けられています。

  • 地域中小企業応援ファンド
  • 農商工連携型地域中小企業応援ファンド

地域によって受給条件や助成金額が異なるため、事前に確認することが必要です。

参考:中小機構「経営にお悩みの方へ|地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)」

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、働き方改革やインボイス導入、賃上げなどに対応するために革新的サービス開発や生産プロセスの改善にかかる設備投資などを支援する制度です。

主に中小企業・小規模事業者が対象となっているため、創業直後でも活用できます。また創業して5年以内であれば創業加点を得られるため、必要書類を確実に準備しましょう。

以下の3つの枠に分けられており、コースによって支給要件や補助額・補助率が異なります。

  • 省力化(オーダーメイド)枠
  • 製品・サービス高付加価値化枠
  • グローバル枠

参考:ものづくり補助金総合サイト

IT導入補助金

IT導入補助金とは、経営課題解決のために必要なITツール導入を支援するための制度です。

主に中小企業・小規模事業者が対象となっているため、創業直後でも活用できます。
以下の4つの枠に分けられており、コースによって支給要件や補助額・補助率が異なります。

  • 通常枠
  • インボイス枠
  • セキュリティ対策推進枠
  • 複数社連携IT導入枠

参考:IT導入補助金2024

Check!

「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

会社設立に活用できる助成金・補助金の申請の流れ

会社設立に活用できる助成金・補助金の申請の流れを解説します。

1.申請の準備

申請する助成金・補助金が決まったら、その助成金・補助金の支給要件や申請に必要な書類を確認しましょう。この段階では、以下の内容を検討し、準備することが必要です。

  • 助成金・補助金の支給要件を満たしているかどうかを確認する
  • 助成金・補助金の申請書類一覧をダウンロードし、記入する
  • 助成金・補助金の申請に必要な添付書類を準備する
  • 申請サポートをしてくれるコンサルに依頼するかどうかを検討する

助成金・補助金をはじめて申請する場合、ノウハウがある人材がいないのであればコンサルに依頼することがおすすめです。受給確率を高めてくれると同時に、スムーズな申請につながります。

2.申請

募集要項に沿って、申請を行います。
最近では電子申請のみ受け付けている助成金・補助金もあるため、事前に申請方法についても確認しましょう。

申請書類にミスや漏れがあった場合には再度申請しなければならないため、申請期限よりも早めに申請することがおすすめです。

3.事業の実施

申請内容が受理されれば、事業を実施します。申請する際に、事業の計画書を提出することが求められますが、計画書に則って事業を実施しましょう。

事業に変更があった際には、変更届の提出が必要になることも。各助成金・補助金の募集要項を確認しておくことが大切です。

4.助成金・補助金の交付

事業を実施したのち、実施内容を報告します。報告に問題がなければ、助成金・補助金が交付されます。

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まとめ

この記事では、会社設立に利用できる助成金・補助金の概要や申請の流れを解説しました。

会社設立時には、事業活動費以外にも、人件費や管理費などのさまざまな費用が必要です。そのため助成金・補助金を活用することで、自社の負担を軽減できます。

「自社に適した助成金がどれかわからない」「助成金の要件や申請方法に関するノウハウがない」という企業の方は、プロのコンサルに依頼すると確実な受給につながります。まず以下から無料診断を試してみてはいかがでしょうか。

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弊社担当のご紹介
黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。