障がい者の雇用を進めるうえで、重要になるのが求職者とのマッチングです。職場との相性や業務内容の適正などは、実際に働いてみなければわからないことも多いでしょう。

その際に、トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)やトライアル雇用助成金(障害者短期トライアルコース)を活用することで、費用も低減できるため、少ない負担でのトライアル雇用が可能です。

そこで、この記事ではトライアル雇用助成金のうち、障害者トライアルコース・障害者短期トライアルコースの支給要件や助成金額などを詳しく解説します。

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トライアル雇用とは

トライアル雇用とは、求職者を採用する際に一定期間(3か月以上)の試用期間を設けたうえで採用することです。

トライアル雇用制度の目的は、「未経験や知識不足により就職困難な求職者に早期就職の機会を与える」「求職者の適正を見極める機会を企業に与える」ことの2つが挙げられます。

トライアル雇用助成金の概要は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2023最新】トライアル雇用助成金とは?各コースを徹底解説

障がい者をトライアル雇用するメリット

障がい者をトライアル雇用するメリットを以下にまとめました。

  • 業務の適正だけでなく、職場との相性や必要な支援措置なども事前に確認できる
  • 求職者の不安を払拭できるため、長期雇用につながる可能性がある
  • 試用期間中にミスマッチが見つかった場合、契約解除がスムーズにできる

また、このあと紹介するトライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)を活用することで、トライアル雇用にかかる費用の一部を軽減できます。

障がい者をトライアル雇用するデメリット

障がい者をトライアル雇用するデメリットを以下にまとめました。

  • トライアル雇用中も教育担当が必要で、担当者に負担がかかる
  • 助成金を活用する場合、助成金の申請から受給まで書類作成などの手間がかかる

トライアル雇用を行ったのに採用しないことが増えると、結果的に担当者の負担のみが大きくなる可能性があります。あくまで採用することを前提に実施しましょう。

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トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の支給要件・助成額

トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)とは、就職が困難な障がい者を一定期間雇用する事業者を助成するコースです。

ここでは、障害者トライアルコースの支給要件・助成額を解説します。

支給要件

トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)の主な支給要件は、対象労働者を以下の雇い入れの条件により雇用することです。

【対象労働者】
「障害者の雇用の促進等に関する法律 第2条第1号」に定める障がい者(障害の原因や種類は問わない)であり、かつ次の項目のすべてに該当する方です。

  1. 継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者
  2. 障害者トライアル雇用制度を理解したうえで、障害者トライアル雇用による雇入れについても希望している者
  3. 障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のいずれかに該当する者
  • 紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する者
  • 紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある者
  • 紹介日前において離職している期間が6か月を超えている者
  • 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

【雇い入れの条件】

  1. ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
  2. 障害者トライアル雇用等の期間について、雇用保険被保険者資格取得の届出を行うこと

また、この他にも雇用関係助成金共通の要件などがあるため、厚生労働省のホームページを確認するか、助成金のコンサルタントに相談することがおすすめです。

助成額

支給対象者1人につき、以下のいずれかの助成額を受給できます。

  • 対象労働者が精神障がい者の場合、月額最大8万円を3か月、月額最大4万円を3か月(最長6か月間)
  • 上記以外の場合、月額最大4万円(最長3か月間)
Check!

「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の支給要件・助成額

トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)とは、障がい者のトライアル雇用時に週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、障がい者の職場適応状況や体調などに応じて、同期間中にこれを20時間以上とすることを目指すコースです。

ここでは、障害者短時間トライアルコースの支給要件・助成額を解説します。

支給要件

トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)の主な支給要件は、対象労働者を以下の雇い入れの条件により雇用することです。

【対象労働者】
次の項目のすべてに該当する方です。

  1. 継続雇用する労働者としての雇入れを希望している者
  2. 障害者トライアル雇用制度を理解したうえで、障害者短時間トライアル雇用による雇入れについても希望している精神障がい者または発達障がい者

【雇い入れの条件】

  1. ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること
  2. 3か月から12か月間の短時間トライアル雇用をすること

また、この他にも雇用関係助成金共通の要件などがあるため、厚生労働省のホームページを確認するか、助成金のコンサルタントに相談することがおすすめです。

助成額

支給対象者1人につき、月額最大4万円(最長12か月間)が助成されます。

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【障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース】申請の流れ

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースの申請の流れを、以下にまとめました。

  1. 企業は、「障害者トライアル雇用求人」としてハローワークに求人票を出す
  2. 求人票をもとに就職を希望する障がい者がいた場合、応募される
  3. ハローワークから企業に連絡が入る
  4. 求職者に選考面接を行う
  5. 採用する場合、原則3か月間の障害者トライアル雇用を開始する
  6. 障害者トライアル雇用の開始日から2週間以内に実施計画書を作成し、求職者と継続雇用移行要件の確認を行う
  7. 実施計画書と雇用契約書などの労働条件が確認できる書類をハローワークに提出する
  8. 障害者トライアル雇用の終了前に、継続雇用するか雇用期間満了とするかを決定する
  9. 障害者トライアル雇用終了日の翌日から2か月以内に、ハローワークか労働局に支給申請書を提出する

支給申請は、申請期限を過ぎると助成金を受給できなくなるため、早いうちから申請準備を行いましょう。

また、障害者トライアル雇用の途中で継続雇用へ移行した場合や自己都合で離職した場合には、支給申請期間が変わります。できるだけ早く、対象者を紹介したハローワークに連絡してください。
この他にも支給対象にならない場合があるため、細かな支給要件や申請の流れについては、助成金のコンサルタントに相談することがおすすめです。

まとめ

この記事では、トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)について解説しました。

障がい者のトライアル雇用は、職場との相性を確認するために非常に有効な手段です。その際に、トライアル雇用助成金を活用することで、かかる負担を低減できるため、障がい者雇用を検討している企業は、申請することがおすすめです。

トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース)の受給を検討している企業の方は、プロのコンサルタントに依頼すると確実な受給につながります。まず以下から無料相談を試してみてはいかがでしょうか。

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弊社担当のご紹介
黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。