事業主が新たに人材を雇用する場合に、利用できる助成金がいくつかあります。せっかく雇用するのであれば是非とも助成金を申請したいところですよね!

東京都の企業が受け取れる助成金には、厚生労働省から支給されるものと、東京都や市区町村から支給されるものがあります。今回は、この両方の雇用関係助成金についてご紹介していきたいと思います。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金とは、先天的な理由で就職が困難な求職者や高齢者、震災の被災者、生活保護受給者等を雇用することで受け取ることができる助成金です。

助成金を受け取れるからといって、身体に障害がある方や高齢者、被災者を雇い入れるのは本末転倒ですが、「とにかく人手が必要だ」というのであれば利用する価値はあります。

助成金の支給額は、その人材を長時間労働(8時間労働)で雇用するか短時間労働で雇用するかによって変わります。また、複数の就職が困難になる理由(例えば、60歳以上で精神障害を持っている方)を雇用する場合なども助成額が多くなります。

助成金の対象者は以下の通りです。

  • 60歳以上の者
  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者
  • 母子家庭の母等
  • 父子家庭の父(児童扶養手当を受給している方に限る)
  • 中国残留邦人等永住帰国者
  • 北朝鮮帰国被害者等認定駐留軍関係離職者(45歳以上)
  • 沖縄失業者求職手帳所持者(45歳以上)
  • 漁業離職者求職手帳所持者(45歳以上)
  • 手帳所持者である漁業離職者等(45歳以上)
  • 一般旅客定期航路事業等離職者求職手帳所持者(45歳以上)
  • 認定港湾運送事業離職者(45歳以上)
  • その他就職困難者(アイヌの人々:北海道に居住している45歳以上の者であり、かつハローワークの紹介による場合に限る)

詳しくは、「特定求職者雇用開発助成金で雇用の可能性を広げよう!」をチェックしてみてください。

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、何らかの理由で就職が困難な求職者を3ヶ月試験的に雇用することで支給される助成金です。1名につき1ヶ月で4万円(片親家庭の親の場合は5万円)が支給され、最大で12万円(15万円)となります。

この助成金の対象となる労働者は、以下の通りです。

  • 既にトライアル雇用期間中でない人
  • 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する人
  • 紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない人
  • 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している人
  • 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている人
  • 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
  • 生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者などの就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する人

詳しくは、「トライアル雇用助成金で採用ミスマッチ防止!コスト削減にも」をチェックしてください。

Check!

「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

葛飾区トライアル雇用促進奨励金

葛飾区では、トライアル雇用助成金を活用する場合に厚生労働省から支給される額と同額の助成金が支給されます。つまり葛飾区でハローワークからトライアル雇用を行う場合は、1ヶ月あたりに最大10万円、3ヶ月で最大30万円が助成されることになります。

葛飾区の事業者が人を雇い入れる場合はぜひ活用したいですね!

生涯現役起業支援助成金

障害現役起業支援助成金は、起業するにあたって、高齢者を雇い入れた場合に支給される助成金です。2年間雇用を継続することで最大60万円が支給されることになります。

近年は定年退職後、あるいは早期定年退職後も社会に参加し続けたいと希望する高齢者も多くいらっしゃいます。彼らの持つ知識や経験は非常に有用なことが多いですので、運が良ければ経営に役立つスキルを持った高齢者を雇用することができるかもしれません。

契約転換でも助成金が出る

「雇用」からは少しずれるかもしれませんが、助成金の中でも特に人気なのがキャリアアップ助成金です。この助成金は、非正規雇用者を正規雇用や向き契約に転換する場合に支給される助成金です。

「普段頑張ってくれているパートの◯◯さん。なんとか正規雇用にしてあげたい…」そんな時に活用可能な助成金なのです。この助成金は政府が特に力を入れているものの一つで、正規雇用に転換して生産性の向上が見られる場合は1名あたり最大72万円が支給されます。

また、葛飾区では正規雇用転換を行うと追加で最大25万円が支給されますので、葛飾区の事業者は1名正規雇用に転換するだけで97万円が助成されるということになります。非正規雇用の労働者が正規雇用転換を希望しているのであればぜひ活用したい助成金です!

まとめ

今回は、雇用に関係する助成金をご紹介してきましたが、この他にも様々な助成金が厚生労働省ならびに自治体へ申請することができます。上記でご紹介した助成金の中には、皆さんの事業に合いそうなものはありましたか?

なかった場合でも、他にも多数の助成金がありますし、情報は毎年4月に更新されます。新たに追加される助成金もあるので、よくチェックして有効活用するように心がけてみましょう!

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。