人口150万人規模を誇る川崎市。京浜工業地帯に位置していることから、古くから製造業や中小規模の工場が多くあるエリアです。また、富士通や東芝などの大企業の工場も多く作られ、政令指定都市として多くの人が暮らすことから小売業なども盛んです。古くからものづくりに支えられてきた川崎市をさらに活性化させようと、川崎市では市内の中小事業者を対象に様々な助成金を用意しています。
「一体どんな助成金があるのかまず知りたい!」という方のために……。今回は、川崎市の事業者が活用できる助成金をいくつかご紹介いたします。
目次
川崎市新技術・新製品開発等支援事業補助金
ものづくりで発展した川崎市らしい助成金の一つが、川崎市新技術・新製品開発等支援事業補助金です。
平成30年度には4月2日から4月23日という非常に短い募集期間となっていたため、活用してみたい方は、年度始めは要チェック!
新しく新製品や技術を開発している企業に対して、原材料費や試験研究費、機械工具費用などをサポートしてくれる補助金です。「これから世界に通用する技術を開発するべく準備を進めている」という企業はチャンス。年間100万円以内という補助限度額があるとはいえ、補助対象経費の50%以内が補助してもらえる制度なので活用しない手はありません。
補助金は助成金と違って、申請しても審査次第で補助金が交付されないケースもありますので、注意が必要。川崎市新技術・新製品開発等支援事業補助金の交付にあたっては、有識者などからのヒアリングと交付審査会による審査があります。
- 補助額:100万円以内
- 補助率:対象経費の1/2以内
- 担当課:川崎市経済労働局産業振興部工業振興課 ものづくり・ICT支援係
※平成31年以降の概要は、川崎市の公式ウェブサイトをご確認ください。
川崎市産学共同研究開発プロジェクト補助金
中小企業における事業主の方の中には新しい技術や商品の開発を大学と共同で計画しているところもあるかもしれません。産学共同でなんらかの研究開発を計画しているなら川崎市産学協同研究開発プロジェクト補助金は狙い目です。
対象となるのは川崎市内にある中小企業。連携する大学の所在地はどこでもOKです。すでに平成30年度の募集は終了していますが、毎年4月が申請期間となっています。
例えば「A大学と共同で、新しい繊維を開発したい!」「P大学と一緒に介護ロボットの開発をしている」というケースで申請できる補助金事業です。
- 補助額:1件あたり500万円以内
- 補助率:対象経費の2/3以内
- 担当課:川崎市経済労働局産業振興部工業振興課 ものづくり・ICT支援係
※平成31年以降の概要は、川崎市の公式ウェブサイトをご確認ください。
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説他にもある! 厚生労働省から出る雇用関係の助成金
ここまでご紹介してきた補助金や助成金以外にも、川崎市で事業を営む方が使える助成金や補助金はいろいろあります。例えば、厚生労働省では全国の事業主を対象に、職場環境の改善や雇用の安定化などを推進する目的で雇用関係助成金を用意しています。助成金制度は年度によっても変わりますが、2019年2月時点で使える助成金をいくつかピックアップしてご紹介します。
各制度で対象事業者や受給要件が異なりますので、詳しくは、神奈川労働局や最寄のハローワークへ問い合わせてみましょう。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、企業に対して、雇用している有期契約社員・パート労働者・派遣社員などの正社員化や処遇改善を促すために作られた制度です。
企業内で非正規雇用労働者がキャリアアップするための計画を作成し、計画に沿って正社員への転換や就業規則の改定を行なったのちに6ヶ月労働者へ給与支払いを行なった事業者に対して、キャリアアップ助成金が支給されます。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、若者雇用促進法に基づいて実施されている助成金制度です。厚生労働省では、企業が積極的にキャリアや経験が少ない求職者を雇用するよう後押しする目的でトライアル雇用助成金制度をスタート。一定の要件を満たした対象者を、トライアル雇用という形で採用し、原則3ヶ月の試用期間を経たのちに正式に雇用した場合。事業主に対象者1人あたり最大4万円・原則3ヶ月間の助成金が支給されます。
空前の売り手市場、人手不足が叫ばれている今。企業にとっては、少しでもいい人材を雇いたい一方で、雇用後のミスマッチが怖くて容易に人を雇用できないという現状があります。トライアル雇用助成金は、人出不足に悩む事業主の方こそ、活用してみたい助成金制度です。
人材確保等支援助成金
川崎市に限らず、今地方都市では少子高齢化にともない人材不足に悩む企業が増えています。新卒採用すら空前の売り手市場といわれている今。企業はより魅力ある職場環境を作り、働く人が長く・快適に働ける企業となることが求められています。
厚生労働省が実施している人材確保等支援助成金は、企業で働く従業員が職場に定着するようサポートする助成金制度です。
具体的には「雇用管理制度助成コース」「介護福祉機器助成コース」「介護・保育労働者雇用管理制度助成コース」など全部で6つのコースが設けられています。
助成金・補助金を上手に活用して川崎市でのビジネスチャンスを広げよう!
川崎市では毎年ものづくり企業や中小企業を対象に、助成金や補助金事業を展開しています。助成金や補助金事業は、通常年度始め(4月以降)に募集や告示がスタートします。川崎市の助成金や補助金を活用してみたいという方は、4月以降の市のお知らせをこまめにチェックしてみるといいでしょう。
助成事業によっては、予算が上限に達し次第募集を終了するものもありますので、見逃さないようにしてくださいね!