大田区には約3,500もの町工場があるといわれています。そのほとんどが、最終製品ではなく、部品となる金属を加工する工場です。まさに、世界でも特異な「ものづくりの街」ともいえるでしょう。
そんな大田区では、町工場を支援するさまざまな助成金があることをご存じでしたか?今回は数ある助成金の中から、特に活用しやすいものをピックアップして紹介します。
目次
研究開発企業等拠点整備助成事業
テレビドラマ『下町ロケット』で描かれた通り、大田区ではハイレベルかつさまざまなジャンルの「ものづくり」が行われています。そんな大田区にものづくり関連産業をますます誘致し、さらに発展させるための助成金です。
助成対象者
製造業をはじめとして、生産設備を持たず研究開発に特化しているいわゆるファブレス企業、機械設計やデザイン業務でものづくり企業をサポートする中小企業が対象となります。
受給条件
大田区内で事業所や研究開発を目的とした施設を新たに購入、賃貸、整備しようとしていることが受給条件となります。研究開発を行わない単なる事務所、営業所は対象外です。
助成額
助成対象経費の3分の1、上限は300万円です。
ものづくり工場立地助成事業
中小企業が事業規模の拡張、高度化のために工場の建設や移転にかかる経費の一部を助成します。
助成対象者
大田区内で3年以上同一の製造業を営む中小企業、大田区に土地を持つ貸工場の経営者などが対象です。
受給条件
対象経費の合計が500万円以上になることが受給条件です。ただし、従業員20名以下ならば100万円以上でも構いません。
助成額
助成対象経費の3分の1、上限は1,000万円です。
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説大田区工場アパート立地助成事業
大田区に工場アパートを建設する際にかかる費用の一部を助成します。既存の建物を改修するケースも含まれます。
助成対象者
大田区内で3年以上同一の製造業を営む中小企業、大田区内で工場アパートを経営しようとしている者が対象となります。
受給条件
対象経費が5,000万円以上で、なおかつ作業場面積が2,000㎡以上で5社以上が入居、もしくは200㎡以上で2社以上が入居する工場アパート。
助成額
助成対象経費の4分の1、上限は5億円です。
新事業連携・産業クラスター形成助成
大田区内の中小企業や企業グループの、新事業への取り組みをサポートします。
助成対象者
新たな事業に取り組もうとしている大田区内の中小企業または企業グループが対象です。
受給条件
新事業が実現可能かどうかの検証、試作品制作、新たなネットワーク構築に向けた活動を試みようとしていることが受給条件です。
助成額
助成対象経費の2分の1、上限は50万円です。
ものづくり企業立地継続補助
大田区内の中小企業が防音、防臭、防振等の操業環境を改善して、地域住民に受け入れられるようにするための助成金です。平成30年度から32年度までの期間限定になります。
助成対象者
大田区内で1年以上同一のものづくりを営む中小企業、大田区以外で1年以上操業していて大田区内への移転を希望している中小企業が対象となります。
受給条件
防音、防臭、防振のための移転、改修、設備変更などを行う予定としていることが受給条件です。
助成額
助成対象経費の3分の4、上限は375万円です。
次世代ものづくり人材育成プロジェクト
次世代を担うものづくり人材の育成、大田区の産業基盤強化などを目的としています。
助成対象者
学生や若手技術者、もしくは区内中学生への職場体験授業に協力してくれた製造業企業が対象です。
受給条件
ものづくりへの関心喚起、技術力向上、技能継承などに取り組んでいることが受給条件となります。
助成額
上限は学生や若手技術者には30万円、職場体験に協力した企業には4万円までとなります。
まとめ
以上のように大田区にはさまざまな助成金があります。一方、大田区だけではなく、都内全域を対象としている助成金もあるので、調べてみてはいかがでしょうか。
たとえば、東京都では若者応援宣言企業採用等奨励金事業に取り組んでいます。これは、パート、契約社員、派遣社員などの非正規労働者の正規雇用化支援が目的で、都内すべての企業が対象です。大田区の助成金とあわせて活用してみてはいかがでしょうか。