八王子市は明治以降、繊維関連の中小企業が集まり「織物の街」として発展してきました。高度成長期には工業団地が次々と造成され、現在でも数多くのベンチャー系製造業が地域の経済を牽引しています。

高水準の独自技術を持つ中小製造業も多いため、このエリアを研究開発拠点に選ぶ大手メーカーも少なくありません。日本のものづくりの一端を支えているといっても過言ではない八王子市。そんな八王子市の事業者が活用できる助成金・補助金について紹介しましょう。

企業立地支援制度

八王子市では高尾山などの恵まれた自然環境を活かしながら、企業にとって魅力ある街づくりを推進しています。その一環として、八王子市内の一定のエリアで新設・拡張をしようとしている起業に対して税金相当額をキャッシュバックしています。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 事業所税

などの税金相当額を奨励金として交付するという、全国でもめずらしいタイプの助成金制度です。

また、同制度では八王子市と八王子商工会議所による「サイバーシルクロード八王子」の中の後継者育成講座も利用できるようになっています。企業OBや専門家によるコンサルタントも受けることができ、起業に関する悩みを相談できるのも心強い限りです。

八王子市若年者・女性雇用奨励金制度

将来の社会を担う若年者、育児などで離職してしまった助成の終業促進を図る制度です。トライアル雇用と連動していることが特徴で「トライアル雇用切り」のような悪用を防ぐという効果も期待できます。

トライアル雇用とは、企業がハローワークを通じて雇用した労働者を3ヶ月間試用できるというものです。求職者にとっては3ヶ月で職を失うリスクも……。実際「派遣切り」が厳しくなってきたため「トライアル雇用切り」によって人件費を節約しようとする企業も全国的に発生しています。

しかし、トライアル雇用をした若年者や女性を常用雇用することで奨励金が出る八王子市ならば「トライアル雇用切り」のリスクは少ないともいえるでしょう。若年者や女性を常用雇用したい企業がぜひ活用したい制度です。

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八王子市空き店舗改修費補助金

八王子市の中心街でも、少しずつ空き店舗が目につくようになってきた昨今です。少子高齢化による後継者不足が一因なのでしょうか。そのような空き店舗を活用して小売業、飲食業などのサービス業を開業したい事業者に交付される補助金がこちらです。

ただし、対象となるのは八王子市の中心街限定で「集客やイメージアップに役立つ」と判定された事業だけになります。八王子市は21もの大学がある学術都市でもあるので、健全なイメージの店舗がふさわしいでしょう。学生の数も多いので集客は見込めますし、ぜひチャレンジしてみませんか?

八王子市はばたけ商店街事業補助金

東京都の「商店街チャレンジ戦略支援事業補助金」を一部財源とした八王子独自の補助金制度です。市内の商店街がイベントを行ったり、施設整備をしたりする際の費用を補助します。

  • 中元/歳末セール
  • フリーマーケット
  • 老人ホームのお年寄りを招待してのイベント
  • 交通安全キャンペーン

などが対象となります。そのイベントを目当てに商店街に数多くの人が集まり、街の活性化が見込めることが特徴です。そのため、販売促進のためのチラシ・ポスターの作成のみといった事業は対象外となるので注意しましょう。

まとめ

数多くの中小企業があり、つねに雇用がある八王子市は仕事を見つけやすいエリアです。一方、高尾山などの自然も豊かで住みやすさにも定評があります。

まさに職住近接にふさわしい街ともいえる八王子市ですが、助成金制度を見てみると「すべての人が安心して暮らせる街」を目指していることがわかります。起業しようとしていたり、若年者や女性を起用しようとていたり、新しい試みにチャレンジする事業者を支援する助成金が少なくないのです。

加えて、街全体を活気づけるための助成金制度も充実しています。今後とも働きやすく住みやすい街として期待できる八王子市といえるのではないでしょうか。

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。