「同一労働同一賃金ってなに?」
「同一労働同一賃金に対してどんな対策をしたらいいの?」
そうお悩みではありませんか?

同一労働同一賃金が2020年4月に制度が適用されるため、企業はそれに対応する必要があります。

とはいえ、まだ事例がないため、どう対応したらいいかわからなくなりますよね。
そこでこの記事では、同一労働同一賃金とは何か、会社はこの制度にどう対応するべきなのか解説します。

同一労働同一賃金とは何か?

同じ労働に関わる人はその雇用形態にかかわらず、同じ賃金にするという考え方です。

日本では非正規労働者の数が増えつつあり、2016年の時点で労働者全体の37.5%を占めるようになってきました。
非正規労働者と不合理な待遇差を解消するために行われ、仕事の前提条件が同じなら、待遇も同じにするよう求められてきたことがその背景です。

同じ労働内容で同じ仕事をしている場合には、非正規社員でも、正規社員でも同じ賃金を支払わなければいけないという仕組みになっています。

「不合理な待遇差って具体的にはどんなもの?」
そう疑問になりますよね。

具体的には、以下の点の改善を求められるようになります。

  • 賃金
  • 基本給与以外の手当て
  • その他処遇で格差があるもの

また具体的にどう対処していくのかは後述します。

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労働者側から見た同一労働同一賃金のメリット・デメリット

労働者側から見た同一労働同一賃金のメリットとデメリットは以下の通りです。

  • 非正規労働者の給料が上がる可能性がある。
  • 年齢や勤続年数によって給料が変わるということが少なくなる
  • 待遇が改善されるため、無理なく働きやすくなる

給料や待遇の格差がなくなることで、非正規社員にとってはメリットが大きい制度になることが大きなメリットですし、待遇が改善されることでモチベーションアップにもつながるかもしれません。

同一労働同一賃金のデメリット

同一労働同一賃金のデメリットとしては以下の通りです。

  • 正規社員の給料が下がる可能性がある
  • 能力で判断されるため、職場配置によってはモチベーションが下がることも

「正規社員と非正規社員の不合理な待遇差をなくす」
ということは、正規社員にとってはメリットにならない場合もあります。

というのも、会社からすれば、非正規社員の待遇を改善し、給料を上げることで会社の財政を圧迫してしまうからです。
もしそうなってしまうと、非正規社員の上がった給料の分だけ正規社員の給料が下がってしまうことも。

また能力差で給料が決まる環境になるため、「自分に合った職場じゃない」と感じると、モチベーションが下がってしまうかもしれません。
そうならないためにも、職場環境を整え、適材適所な環境で仕事をしてもらうことが大切になるでしょう。

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使用者から見た同一労働同一賃金のメリット・デメリット

使用者から見た同一労働同一賃金のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

同一労働同一賃金のメリット

うまく非正規社員の待遇を改善しモチベーションを向上させられれば、会社全体の業績が改善することが考えられます。
また離職率が下がれば、それだけ人材の流出を食いとどめることができるため、より会社の人材環境が改善するでしょう。

同一労働同一賃金のデメリット

使用者にとってのデメリットは、人件費が以前より高くなってしまうことです。
そのため、会社によっては予算やコストの削減に追われることになるでしょう。

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同一労働同一賃金を導入するときに配慮するべきこととは?

「では同一労働同一賃金を導入するときにどんなことに気をつけたらいいの?」
そうお考えではないでしょうか。

同一労働同一賃金が非正規社員の労働環境を改善する、と言っても今ひとつ曖昧で、具体的な行動にどう繋げればよいかわかりにくいですよね。

具体的にどう取り組むべきなのかについては、厚生労働省が発表している、同一労働同一賃金ガイドラインに詳しく書かれていますが、ここでは簡単にどんなことについて対処する必要があるのか解説します。

具体的な対処としては以下のことを行うとよいでしょう。

  • 正規労働者と非正規労働者の仕事の内容を明確にすること
  • 同一労働同一賃金の導入でどう人件費が変わるのかを計算する

正規労働者と非正規労働者の仕事の内容を明確にすること

まずは正規労働者と非正規労働者とどう仕事の内容が違うのか、具体的にすることが必要になります。
厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインでは、以下のような指針を打ち出しています。

  • 職務の内容と職務に必要な能力を明確にすること
  • 公正な評価を実施し、その評価に基づいて待遇を決めること
  • 労働者と使用者の話し合いによる合意の上で計画的に構築していくこと

まずは仕事の内容とそれによってどう待遇が変わるのか、体系的に示す必要があるでしょう。
その待遇の違いを社内規定など通して、すべて具体的に明示できている状態を作ることが大切です。

同一労働同一賃金の導入でどう人件費が変わるのかを計算する

同一労働同一賃金を適用させようとすると、どうしても人件費がかさんでしまいます。
そして算出した同一労働同一賃金の内容によっては、コスト削減を考えなければならないことも。
そのような場合には、最悪、人件費の調整なども含めて検討する必要があるかもしれません。

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同一労働同一賃金制度をうまく活用しよう

今回は同一労働同一賃金とは何か、企業がどのように対処するべきなのか解説しました。
会社から見ると、やることが多く大変に見えるかもしれませんが、この機会に労働環境を適切に整えられれば、生産性の向上も期待できます。

この同一労働同一賃金制度に対処するためにも、まずは労働内容の整理をすることからはじめてみましょう。

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弊社担当のご紹介
佐藤亜樹
佐藤亜樹(助成金コンサルタント)
入社7年目。採用コンサルティングを担当後、中小企業の助成金申請のサポートに従事する。2018年からは助成金を活用した働き方改革関連法に対応するノウハウを提供するセミナーを開催するなど、精力的に活動中。