女性にとって働きやすい職場とはどのようなものか？

少子高齢化に伴い人材不足が社会問題になり、働き方改革が叫ばれる中、女性も労働力として不可欠な存在になってきました。さらに、女性を主なターゲットとした商品やサービスを提供している会社の場合、女性が経営側にいることが不可欠になるでしょう。

しかし、女性は、日本において家事や育児・介護の担い手として負担が重いのが現状でもあります。そのため、女性に働き続けていてもらうためには、女性にとって働きやすい職場環境を整える必要があるのです。

女性が働きやすい職場とはどのようなものなのでしょうか。今回は、女性にとって働きやすい職場の条件を中心にお伝えします。

休業制度が整っている職場

女性が働きやすいと感じる職場は、休業制度が整っていることが条件のひとつとして挙げられます。女性はライフステージによって、退職や復職を余儀なくされる状況があります。具体的には、結婚や出産・育児において、フルタイムの勤務ができなくなり退職するという場合です。そして子育てがひと段落したときに、パートタイムで勤務するかフルタイムで復帰するか選択します。さらに、介護問題が起こると、また退職しなければならないという状態に陥るのです。

こうしたことから、それぞれのライフステージによって、フルタイムで仕事ができなくなってしまったときに、退職しなければならなくなるのではなく、一時的に休職できるような職場の場合、仕事にも復帰しやすくなります。

特に育児の場合、子どもが生まれてから数年の間は大変な時期です。しかし、その後は保育園に入れればフルタイム勤務も可能になる人もいるでしょう。育児や家事などとの両立を希望し、短時間勤務を希望する場合もあるかもしれません。

こうした休業制度が整っている職場が働きやすいといえます。なお、子育てをサポートしている企業に対して公的な認定制度があります。それは、くるみん認定です。くるみん認定は、厚生労働省が実施している制度で、近年はプラチナくるみん認定も始まりました。こうした認定を受けるとマークを利用することができるため、女性に選ばれる企業の基準にもなっています。

ワークライフバランス制度（WLB制度）

働き改革が叫ばれる中、政府は具体的な多様な働き方の採用を目指して、ワークライフバランス制度を推奨しています。ワークライフバランスとは、仕事と生活の調和、国民ひとりひとりがやりがいや充実感を持って働き、仕事上の責任を果たせる環境を指しています。

女性にとってのワークライフバランス制度は、まさに家庭生活や育児・介護と仕事の両立ができるための環境になるでしょう。

具体的には、変則的な勤務時間や勤務日数でしょう。たとえば、短時間労働制度や一時的にパートタイム労働を選択できる制度、退職したとしても会社に復帰したいときに復職可能な復職制度などが挙げられます。また、そのとき同一労働同一賃金も大きなポイントです。さらにフルタイム勤務を望む女性には、リモートワークを導入する会社も増えてきています。リモートワークを導入すれば、帰宅後に足りない時間分の仕事を自宅などで遂行してもらうことができるのです。

女性の社会進出が当たり前になってきている社会状況の中、退職や休職をする前はフルタイムでキャリアを積んできた女性も多くなっています。しかし、育児などによってフルタイムで働けないという状態があるのです。そのため、短時間ならばきちんと仕事ができる女性もたくさんいるのです。そのため、退職する前と同じ仕事なのに収入がかなり下がってしまった、もっと難しい業務もこなせるのに育児があるからと任せてもらえないという女性もいます。

こうした女性の場合、職場に不満を抱えがちです。働いてもらっているのに、退職してしまうかもしれません。

このようなことから、ワークライフバランス制度を会社が導入することは、女性にとって働きやすい環境を作る条件ともなるのです。

助成金が利用できる場合も

働き方改革によって、多様な働き方が推進されています。会社としても環境づくりに力をいれようとしているかもしれません。こうした環境づくりにはコストがかかりますが、助成金を利用して、こうしたコストを補填することも可能になっているのです。特に女性への職場環境づくりのためのキャリアアップ助成金などがあります。会社が所在する各自治体でも独自の助成金や補助金制度を導入している場合も。こうした助成金・補助金の利用もぜひ検討し、女性にとって働きやすい職場環境づくりに役立て、人材不足を解消させることをおすすめします。

弊社担当のご紹介

道政典子（助成金コンサルタント）

入社3年目。助成金申請サポート含む複数事業を展開する会社の経営経験を活かし、主に助成金を活用した女性が働きやすい環境づくりをサポート。現在は年間80社以上の企業を支援する。