人手不足倒産は避けたいが、社員が辞める理由が分からず人材不足に陥ってしまう、これはどんな会社にも起こりうる問題です。
重要なことは、社員が辞める理由を知ること。どうして辞めるかを知ると、対策を取ることができます。社員が会社を辞める理由とは何でしょうか?辞める理由に対する施策や、職場環境の整備に利用できる助成金とともに見ていきます。

社員が会社を辞める理由

社員が会社を辞める理由には何があるのでしょう。
まず、2018年4月にエン・ジャパンが発表した「退職のきっかけ」調査の結果から、「退職を考え始めたきっかけ」を多い順に見ていきます。

すると、

  • 「給与が低かった」39%
  • 「やりがい・達成感を感じない」36%
  • 「企業の将来性に疑問」35%
  • 「人間関係が悪い」27%
  • 「休日出勤・残業など拘束時間が長い」26%
  • 「評価・人事制度に不満」25%

となりました。

ここから分かることは何でしょう?共通していることは「不安」です。給与ややりがい、将来、人間性、拘束時間、評価、どれも「社員が将来に不安を感じる」要素。

  • このまま自分はここで働いていいのか?
  • 頑張っていることが認められないのはつらい
  • もっと能力が発揮できるところがあるんじゃないか?
  • この会社に未来はあるのか?

そう感じ、悩むうちに退職を考えるようになるのです。

助成金申請を完全サポート 助成金申請を完全サポート

育児離職や介護離職が騒がれているけど……?

育児や介護による離職が増えていると騒がれています。しかしこれらは一因に過ぎません。社員は、さまざまな理由から離職を決定するのです。それは、前述した調査結果からも分かるでしょう。

つまり、

  • 要因の改善
  • 要因に勝るプラスの要素を生み出す(この会社で働く理由)

がなければ、離職する人が増えるのです。

育児や介護といった直接的な事柄への対応ももちろん必要でしょう。しかしそれだけではいけません。

  • 給与や労働時間の見直し
  • 人材配置や評価制度について再検討
  • 人間関係の調整
  • 風通しのよい職場づくり
  • 経営層による企業戦略の見直し

などさまざまな点から改善を行いましょう。

待遇や環境といったあらゆる点から職場環境を整えて、初めて社員の離職を防ぐことができるのです。

環境がよくなると、社員のモチベーションや思考は健全になります。するとチームや部署ごとの連携もスムーズになるでしょう。そして個々の社員からどんどん「良い輪」が広がっていくのです。そして最終的には、会社に業績向上という喜びをもたらします。

Check!

「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

助成金を活用して職場環境を整備しよう

環境の改善には助成金の活用も欠かせません。職場環境の整備にはコストがかかることも多いでしょう。しかし、助成金によってコスト面をサポートしてもらえるのです。一体どんな助成金があるのでしょうか?

キャリアアップ助成金は、労働条件の改善に活用できます。昨今話題にあがる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の格差。事業主がこうした格差を埋めて、社員全員が働きやすい環境に整えようとする際、助成金が支給されるのです。

また、両立支援等助成金は介護や育児離職を防ぐことに活用できます。また、介護や育児だけでなく女性の活躍や再雇用に絞ったコースも。全部で6コースありますので、用途に応じて選択できます。

どちらも職場環境の整備を考える事業主を支えてくれるものです。社員のために環境を整え、さらに助成金によってサポートを受ける、こうした事柄を見逃すのはもったいないです。ぜひとも取り組んでみましょう。

助成金申請を完全サポート 助成金申請を完全サポート

社員は未来への不安から辞めることを選ぶ

社員がいて初めて、会社は成り立ちます。社員が働く上での不安を解消することが辞める理由をなくす近道です。
社員が、

  • このまま自分はここで働いていいのか?
  • 頑張っていることが認められないのはつらい
  • もっと能力が発揮できるところがあるんじゃないか?
  • この会社に未来はあるのか?

と感じてしまうような労働環境は早めに改善しましょう。また、環境整備時に助成金を利用すると、コスト面もカバーできます。

助成金申請を完全サポート 助成金申請を完全サポート
弊社担当のご紹介
黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。