中野区には中野ブロードウェイのような大型商業施設の他、個人経営のお店が中心をなす昔ながらの商店街もいくつか存在しています。じつは「商業のまち」ともいえる中野なのです。
そんな中野区では、事業者を対象とした2つの助成金があります。どのような助成金なのか、詳しく紹介しましょう。
商店街チャレンジ戦略支援事業
地域の拠点となる活気あふれる商店街づくりを支援する事業です。「商業のまち」中野区ならではの助成金といえるでしょう。
助成対象者
商店街、商店街連合、商工会・商工会議所などが対象となります。
受給条件
中元・年末セール、大売出し、スタンプラリー、観光物産展、エコキャンペーンなどのイベント事業を行おうとしていることが受給条件です。一方、街路灯整備・改修・撤去、モニュメント設置、アーケード改修、多言語ホームページの作成、無線LAN環境の整備などの活性化事業を計画している企業も対象となります。
実際、現在でも中野区ではさまざまなイベントが開催されています。「お風呂さんスタンプラリー」「まちめぐり博覧会」「にぎわいフェスタ」などに出かけてみると、賑わいを実感できるでしょう。イベントを企画する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。
助成額
イベント事業では助成対象経費の3分の2、上限300万円まで受給できます。活性化事業でも助成対象経費の3分の2までですが、上限額は5,000円と高額です。
公衆浴場設備改善資金助成
年々、昔懐かしい銭湯が姿を消しつつあります。古い設備を改装するための資金が足りずに廃業してしまう銭湯も少なくありませんが、そのような事業者を救済するための助成金制度です。
助成対象者
中野区内にあり、設備改善を行いたいと考えている公衆浴場経営者。設備は具体的には、煙突、給湯設備、浴室内および脱衣所内に設置されたレジオネラ症防止対策設備などになります。
受給条件
助成金を受領した日から少なくとも3年以上は営業することが受給条件となります。もし、3年以内に廃業または転業した場合は、助成金を全額返還しなければいけません。
助成額
1浴場あたり150万円が上限です。
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説他の助成金はない?
中野区限定の助成金としては、公衆浴場設備改善資金助成しかありません。大田区、板橋区などのものづくりが盛んなエリアと比較すると少ないのも事実です。
「中野区限定の助成金は対象外になってしまう」という事業者は、厚生労働省主体の助成金を利用するのもひとつの方法です。たとえば、非正規雇用労働者を正社員にすればキャリアアップ助成金、生産性を高めながら労働時間を短縮すれば時間外労働等改善助成金が給付されます。労働環境も改善でき、一石二鳥といえるでしょう。
また、東京都の企業ならば、公益財団法人東京都中小企業新興公社が提供する助成金を利用することもできます。たとえば「2020年に世界一の都市、東京」を実現するために実施している「次世代イノベーション創出プロジェクト2020助成事業」では、中小企業の商品開発などに対して上限8,000万円もの助成金が用意されています。ぜひ、応募してみてはいかがでしょうか。
まとめ
中野区を散歩していると、意外と活気がある昔ながらの商店街に出くわすことも少なくありません。それは、こういった商業従事者向けの助成金制度が功を奏しているともいえるでしょう。新宿、渋谷などの商業エリアに隣接しつつ、独自性をキープした街づくりに成功しているのではないでしょうか。
商業従事者以外には区の助成金がないのは気になりますが、かわりに厚生労働省の助成金を利用することもできます。さらに、公益財団法人東京都中小企業新興公社などの助成金を申し込んでみるのも良いでしょう。
助成金のメリットは「返済しなくても良い」という点です。資金調達のために借金を重ねて倒産……というケースも結構あります。まずは、返済する必要がない助成金から、利用できるものはないのか等、じっくり調べてみてはいかがでしょうか。