千代田区には、大企業が集中している大手町、商業・娯楽施設がひしめく日比谷・有楽町、世界的に有名な電気街・秋葉原、出版・印刷業が盛んな神保町……と、エリアごとに特色ある産業が栄えています。
昼間人口は、夜間人口の20倍ともいわれる千代田区は、まさに「働く人の街」でもあり、中小企業も多いです。そんな中小企業を応援するための助成金も数多く用意されています。
では、どんな助成金をどのように使えばいいのでしょうか。千代田区の助成金制度について詳しくみていきましょう。

生活に密着した助成金

千代田区には事業者だけでなく、生活に密着した助成金があります。助成金を千代田区で有効活用するときには、普段の生活で見直してみてもいいかもしれません。

次世代育成住宅助成

新婚や子育てで、どうしても住み替えるなどといったこともでてきます。また、子供の成長にあわせて、よりよい環境で子育てをしたいときに転居することも少なくありません。
そういったときに、利用できるのが次世代育成住宅助成です。この助成金は千代田区独自のものになり、定住性の向上を目指しています。また、区内でよりよく暮らしてもらうために地域コミュニティの活性化を目的としているのです。
最長8年間、一番下のお子様が18歳になられるまでが終了期間となります。そのため、以前に最長8年間受給しているときは、再度申請することができません。

受給対象

親がいる新婚世帯か子育て世代かつ、千代田区内で5年以上居住している
・区内から区内への住み替え
・区内での住み替え
・子育て世代で区内で1年以上居住している
・住民税を同居している全員が期限までに納めている
・地域の町内会などに加入している
・マイホームだった場合、1,500万円以上の融資を金融機関から受けている

上記のほかにも、世帯の年間所得や住み替えした先の住宅の面積など細かく決められています。

エネルギー対策でも活用を

家庭だけでなく、事業のなかでも省エネルギー対策をしているところは多くなっています。普通の電球からLEDに変えることなど、身近なものから取り組みしているのではないでしょうか。そういったときには、助成金を千代田区で使うことができるのです。

令和元年度千代田区省エネルギー改修等助成制度

特許権・実用新案権・意匠権・商標権のいずれかを特許庁に申請するための費用の一部として活用できます。特許出願には出願料、審査請求料、技術評価請求料、特許料、登録料、図面作成費などさまざまなコストがかかるものです。弁理士、弁護士に特許取得代行をお願いした場合の依頼費用にあてることもできます。

とくに、事業ではLED照明に変えるだけで大きな省エネルギー対策につながります。そのため、この助成金を申請する人も多くなっているのです。

受給対象
・年度に一度のみの使用
・支払いが一括
・固定資産税や住民税などを滞納していない
・機器は未使用で改修する
・既存の機器は改修してもエネルギー使用量が増えない

Check!

「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

中小企業の強い味方!特許出願に関する助成金

産業財産権取得支援事業

新しい技術、デザイン、ネーミングなどをせっかく考案しても、独占権がなければ他社に模倣を許してしまいます。そういったときは、特許庁に申請を行い、類似品による損害発生を防がなければなりません。こういったときにも、助成金を千代田区で使用することができるのです。
助成金は、特許権・実用新案権・意匠権・商標権のいずれかを特許庁に申請するための費用の一部として活用できます。特許出願には出願料、審査請求料、技術評価請求料、特許料、登録料、図面作成費などさまざまなコストがかかるものです。弁理士、弁護士に特許取得代行をお願いした場合の依頼費用にあてることもできます。補助対象経費の2分の1以内、もしくは上限20万円までが支給されます。

受給対象
・千代田区内で1年以上操業している中小企業
・税金を滞納していない
・常時使用している従業員が10人以下

環境問題も対策しましょう

毎年異常気象ともいえる気温が夏の定番ともいえるようになってきました。なかでも都心部で問題になっているがヒートアイランド現象です。都心部の気温が高くなり、島のような形状になっていることが多いためこの名前がつきました。このヒートアイランド現象の対策も助成金を千代田区では使用することができるのです。

令和元年度ヒートアイランド対策助成

屋上緑化や壁面緑化によってヒートアイランド現象は緩和することができます。また、窓ガラスに遮熱効果があるフィルムなどを使うことでも効果を期待できるのです。
こういったヒートアイランド現象の対策の費用を助成金として使うことができます。条件として、民間の建物で住民税や固定資産税を滞納していないことがあげられます。また、必ず工事前の申請でなければなりません。経費の半分を助成金でまかなえるので、環境に役立つことをしてみるのもいいのではないでしょうか。

受給対象
・屋上緑化
・壁面緑化
・敷地内緑化
・高反射率塗料
・日射調整フィルム・窓用コーティング材
・ドライ型ミスト発生装置

受給共通要項として工事施工前に申請が必要ですので注意しましょう。

障がい者の受け入れは積極的に

身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者を雇用し、就労実習などを行う際に助成金を使用することができます。

区内で障がい者を雇用する人への援助金

この助成金制度を使うと1ヶ月あたり、対象者が13日以上勤務するならば20,000円、8~12日の勤務で17,000円が支給されます。

受給対象
・事業所または実習場所が東京23区内にある
・実習生が千代田区障がい者就労支援センターに登録している
・実習は1日3時間以上、1ヶ月間に1日以上行うこと

よりよい環境で働きやすくするには

大企業ほど福利厚生が充実していない場合が多い中小企業だと、子育てや介護と仕事の両立がどうしても難しくなりがちです。しかし、千代田区では「男女がともに働きやすい職場づくり」を実現したい中小企業を強力にバックアップしています。
従業員が仕事と家庭を両立できるようにするには、社内の奨励制度を整える必要があるでしょう。助成金を千代田区では、配偶者出産休暇やお子様の看護休暇など奨励金の一部として活用できます。

また、男性の育児休業・育児短時間勤務奨励、介護休業・介護休暇・介護短時間勤務の奨励に活用することも可能なのです。
これは、千代田区内の中小企業を対象として、1事業主は5件までという条件のもとで支給されます。どの事項を奨励するかによって、従業員1人あたり3~10万円が支給されるのです。助成金を利用した企業からは「育児休暇を希望する男性社員が増えていて対応に困っていたが、助成金を役立てることができた」「介護離職を防ぐことができた」といった喜びの声が寄せられています。ワーク・ライフ・バランスを改善したいと考えている企業は、取り入れてみるのもおすすめです。

まとめ

助成金を千代田区でいざ活用しようと思っても、さまざまな種類があって悩んでしまうかもしれません。
千代田区の助成金で特徴的なのは、ワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティなどの考え方に基づいた助成金が多いことではないでしょうか。
中小企業における労働環境は、人手不足によりとにかく大変になりがちです。しかし、千代田区ならではの助成金を使えば、働く環境を整えることもできるでしょう。
少しでも不安定や疑問点があれば、無理に申請しようとせずに専門家に聞いてみることも大切です。事業経営に集中しながら効率よく助成金を受給しましょう。

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。