働き方改革やインボイス制度、DX推進などに対応するために、ここ数年で多くの改革に着手している企業は多いでしょう。そんな企業が費用負担を軽減するために助成金・補助金を利用するケースが増えています。

しかし、初めて助成金・補助金を利用する際に「自社に適した助成金はどれだろう」「自社は受給要件を満たしているのだろうか」「申請はこれで合っているのか」など、さまざまな不明点に悩まされる企業も多いのではないでしょうか。

そこで、活用したいのが助成金・補助金の申請サポートに特化したコンサルティング会社です。この記事では、助成金・補助金の概要やコンサルティング会社のサポート内容、コンサルティング会社の選び方を解説します。

助成金・補助金とは

助成金・補助金はどちらも国・地方自治体などの公的機関が主導している制度ではあるものの、それぞれ異なる特徴をもっています。以下に助成金・補助金の概要・特徴についてまとめました。

・助成金
助成金とは、厚生労働省が主導する返済不要な資金調達制度です。主に雇用・労働環境の改善などに取り組む事業主を支援します。

助成金の概要はこちらをご覧ください。
関連記事:助成金とは?注意点など知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説!

・補助金
補助金とは、経済産業省が主導する返済不要な資金調達制度です。補助金により目的は異なりますが、事業活動や地域の活性化などに取り組む事業主を支援します。

以下に、助成金・補助金の主な違いについてまとめましたので、参考にしてください。

助成金 補助金
主体 厚生労働省 経済産業省
目的 雇用・労働環境の改善など 補助金ごとに異なるが、経済・地域の活性化など
給付金額 数万~100万円程度 数十万~1億円程度
受給条件 要件を満たし、法律遵守していれば基本的に受給可能 要件を満たしていても、審査で落選する可能性がある
申請期間 随時、または長期間 数週間から1ヶ月程度

助成金・補助金の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:補助金と助成金の違いとは?それぞれの流れや注意点、交付金や給付金との違いもわかりやすく解説!

助成金申請を完全サポート 助成金申請を完全サポート

助成金・補助金コンサルタントとは

助成金・補助金を受給するために、申請をコンサルタントに依頼する企業は多くあります。そこで、まずは助成金・補助金の申請コンサルタントについて紹介します。

必要な資格

助成金の申請コンサルには、社労士の資格が必要です。それは、助成金の申請書類の作成や行政機関への提出代行は、社労士の独占業務であるためです。

一方、補助金の申請コンサルタントには、必要な資格は特にありませんが、以下のような資格・業種の人であることが一般的です。

  • 弁護士
  • 税理士・公認会計士
  • 行政書士
  • 中小企業診断士

また助成金・補助金の申請サポートを専門で行っているコンサルティング会社も多くあります。その場合、申請書の作成支援だけでなく、助成金・補助金の提案や事業計画の策定など幅広いサポートが受けられる可能性があります。

主なサポート内容

助成金・補助金のコンサルタントの主なサポート内容を以下にまとめました。

  • 自社に適した助成金・補助金の提案
  • 助成金・補助金を受給するための事業計画や自社体制の整備のサポート
  • 申請書類の作成サポート
  • 助成金・補助金申請におけるスケジュール管理
  • 受給できるまでの資金繰りに関するアドバイス

上記のサポートを、すべてのコンサルティング会社で行っているわけではありません。契約後に期待したサポート内容が受けられないと発覚すると、予想外の時間や負担がかかる可能性もあります。
そのため、コンサルティング会社にサポート内容について事前に確認することが必要です。

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助成金・補助金申請をコンサルタントに依頼するメリット・デメリット

助成金・補助金申請をコンサルタントに依頼するメリット・デメリットを解説します。

メリット

助成金・補助金の申請をコンサルタントに依頼する主なメリットを以下にまとめました。

  • 自社に適した助成金・補助金を提案してくれる
  • 申請書類の作成にかかる時間・手間を削減できる
  • 助成金・補助金に応じた取り組みに関する経営のアドバイスをしてくれる
  • 助成金・補助金を受給するまでの資金繰りについて相談できる
  • 採択される可能性が高まる

コンサルタントの申請サポートを受けることで、経営者や担当者は本来の業務に専念しながら、助成金・補助金の申請が可能になります。

デメリット

助成金・補助金の申請をコンサルタントに依頼する主なデメリットを以下にまとめました。

  • 費用がかかる
  • すべての工程を丸投げできない
  • サポート内容は採択までであることが多い
  • 質の悪いコンサルタントにあたると、思ったようなメリットを感じられない

助成金・補助金の申請コンサルタントを依頼するうえで大切なのは、契約前に報酬やサポート内容などを確認し、「信頼できるコンサルタントかどうか」を吟味することといえるでしょう。

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助成金・補助金コンサルタントの料金体系・報酬相場

ここでは助成金・補助金コンサルタントの報酬相場を解説します。

料金体系

基本的に、料金体系は「着手金と成功報酬」「成功報酬のみ」の2つが一般的です。

着手金:コンサルタントに申請サポートを依頼した時点で発生する報酬
成功報酬:助成金・補助金を受給できた時点で発生する報酬

助成金・補助金は、申請後の審査により受給できない可能性があるため、2つの料金体系を組み合わせて報酬とするコンサルタントが多くあります。特に補助金の場合には採択されない可能性があるため、「着手金+成功報酬」の料金体系を取ることが一般的です。

報酬相場

一般的な申請代行を行うコンサルティング会社の場合、費用相場は以下のとおりです。ただし、申請者の事業規模や助成金の内容などにより、幅があります。

  • 着手金(2~10万円程度)+成功報酬10~15%程度
  • 成功報酬のみ(20%程度)

受給金額が高額な場合には、「成功報酬のみ」の企業に依頼すると、費用が高額になる可能性があります。どちらの料金体系なのかも見積もりの際に必ず確認しましょう。

失敗しない助成金・補助金申請のコンサルタントの選び方

最後に、失敗しない助成金・補助金申請のコンサルタントの選び方を解説します。

助成金・補助金に関する資格を保有しているか

先ほども解説しましたが、助成金の申請書類の作成や行政機関への提出の代行は、社労士の独占業務であると社会保険労務士法に定められています。

そのため、助成金の場合には、社労士の資格をもっていることが必須です。ただし社労士事務所以外にも、社労士が在籍している場合や社労士と業務提携している場合に申請代行を行っている企業もあります。

補助金の場合には、経営コンサルタントとしての資格である中小企業診断士や書類作成を専門とする資格である行政書士などは、補助金への知見が深いといえるでしょう。

実績は豊富か

助成金・補助金の申請代行にかかわる資格を保持している場合でも、必ず実績が豊富であるというわけではありません。というのも、例えば社労士であっても助成金の申請代行を積極的に受けているわけではないのです。そのため、資格の有無とともに実績や経験の有無についても確認しましょう。
どのような実績を確認すれば良いのかわからない場合、以下の2点を確認しましょう。

  • 自社の事業規模や業種に近い企業の申請サポートのコンサルティング実績
  • 申請したい助成金・補助金の申請・サポート実績

また、助成金・補助金は会社の事業成長を支援することが目的であり、ただ資金を援助するものではありません。事業成長につながる経営計画や体制の整備についてもコンサルティングできる会社を選ぶ方が、自社の成長を期待できます。

そのため、コンサルティング能力を確認するためにも、これまで行ってきた提案・実績について確認することがおすすめです。

自社に適したサービスや料金体系か

打ち合わせの際に、自社に適したサービス内容や料金体系であるかどうかを確認しましょう。
サービス内容や料金体系はすぐにわかる部分ですが、担当者とのコミュニケーションの取りやすさや予約のしやすさ、提案内容が自社にとって適切かどうかなども見極めることが大切です。

また、価格が相場よりも大幅に安い場合には十分なサービスを受けられない可能性があります。「せっかく依頼したのに効果が得られなかった…」と失敗することがないように、なぜ安いのか理由を確認したうえで検討してください。

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助成金・補助金コンサルタントに依頼する注意点

ここでは、助成金・補助金コンサルタントに依頼する際の注意点を解説します。

契約内容をよく確認すること

助成金・補助金コンサルティング会社によって、提供しているサービスは異なります。契約書面にサポート内容を記載してもらい、明確にしておくことが重要です。

また、その他にもトラブルを回避するために契約期間や解約条件、責任範囲についても確認しておきましょう。
特に補助金の場合には、不採択になる可能性もあるため、多くの補助金コンサルタントは料金体系に「着手金+成功報酬」を採用しています。この場合に支払う金額についても事前に把握しておくことが、トラブル回避につながります。

悪質な業者を見極めること

助成金・補助金コンサルタントの中には、悪質な業者が紛れている可能性があります。例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • 高額な着手金を請求し、入金後に音信不通になる
  • 着手金を入金後、申請手続きのサポートが不完全で、申請が通らない
  • 申請書類を改ざんし、不正受給によって成功報酬を得ようとする

こうしたケースに遭遇すると、企業はムダな費用や時間、人手を費やすことになります。そのため、コンサルティング会社の信用性や過去の実績を事前に確認しておくことが重要です。

無料相談を活用すること

多くの助成金・補助金コンサルティング会社では、無料相談を実施しています。
複数のコンサルティング会社を比較検討し、自社に適したコンサルタントを選定するにも、無料相談を活用することがおすすめです。

サービス内容や料金相場はもちろんのこと、コンサルタントの考え方やコミュニケーション力、対応スピードなどの多角的な観点から対応を確認しましょう。

助成金・補助金コンサルタントを利用した申請の流れ

助成金・補助金コンサルタントを利用した申請の流れをまとめました。

  1. 助成金・補助金コンサルタントに申請サポートを依頼する
  2. コンサルタントから、自社の希望や目標、事業内容などについてヒアリングを受ける
  3. コンサルタントが適した助成金・補助金制度を提案する
  4. 申請する助成金・補助金を決定し、申請内容を練り込む
  5. 申請書類を作成する
  6. 公募期間内に申請する
  7. 採択・不採択が決定する
  8. 対象となる事業を実施する
  9. 実績報告を行う
  10. 助成金・補助金が交付される

多くの助成金・補助金制度では、公募申請期間が1か月~3か月程度と定められています。「2か月もあれば問題なく申請できる」と考える方もいますが、申請前の準備を万全に行うには1か月以上の期間が必要になる場合もあります。

そのため、助成金・補助金の申請を考えている場合には、なるべく早く自社に適した助成金・補助金コンサルタントを選定することが大切です。

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まとめ

助成金・補助金は原則として返済義務がなく、国や地方自治体が主導する資金調達制度です。そのため、多くの企業が活用しています。

しかし、助成金・補助金を活用するには各助成金・補助金の要件を知り、申請を確実に行うノウハウが必要です。一から取り組む場合には多くの手間や時間がかかるため、コンサルティング会社に依頼する企業も多くあります。資格や実績、料金形態を確認し、納得できるコンサルティング会社に依頼しましょう。

これから助成金・補助金の申請を検討される場合には、まずは無料相談を試してみてはいかがでしょうか。
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弊社担当のご紹介
黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。