男性の育児休暇制度を積極的に取り組もうとしたとき、他社の取組事例が大きな参考になります。これまで、男性の育児休暇に対し積極的ではなかった事業主なら分からないことがあっても当然です。男性の育児休暇に関して、その存在自体は社会的に認知され始めました。厚生労働省の『平成29年度雇用均等基本調査』によると、育児休業制度の規定がある事業所の割合は事業規模30人以上だと93.2%です。5人以上でも75.0%となっています。ただ、積極的に取得しようとする男性はまだまだ少ないのではないでしょうか?平成29年度雇用均等基本調査でも、男性の育児休業取得率は5.14%で、まだまだの状況です。男性の育休制度に各社が力を入れるなら取得率も高くなるかもしれません。他社が設けている男性の育休制度を参考にし、自社にも上手に育休制度を取り入れましょう。

男性の仕事と育児を両立させる育休制度を設ける各社事例

男性の育休制度を設けている各社の事例をご紹介します。育休だけではなく、育児に関連する福利厚生も無視できません。育休制度と共に、育児に関する福利厚生についてもチェックしておきましょう。

ヤフー株式会社

配偶者の出産に伴う特別休暇を設けています。出産予定日の1週間前から出産日の後1カ月以内、3労働日以内が適用期間です。育児休暇も、子供が1歳になるまで認められています。保育所の入所が決まらなければ、2歳になるまで延長可能です。同居する小学生以下の子供を養育する従業員については、申請することで、土日休日と共に1週あたり1日の休暇(無給)という制度を設けています。

武田薬品工業株式会社

男性の育休として特別有給休暇や育児休暇が設けられています。配偶者の出産予定日1週間前から育児休暇対象期間内に、5日間の特別有給休暇が取得可能です。子供が1歳6カ月、または1歳を超える4月末まで、どちらかの長い期間を対象にした育児休暇取得制度を設けています。また、連続5日のみ有給です。仕事と育児の両立に関連する福利厚生として近隣託児移設クーキッズと提携した保育施設補助、タケダキッズという企業内保育所を開設しています。

三菱商事株式会社

男性の育休として特別傷病休暇(育児事由)配偶者出産休暇、有給休暇の半日取得が設けられています。特別傷病休暇と有給休暇の半日取得は、子供が小学校3年生までです。配偶者出産休暇では、出産に係る入院などの日から出産日後の3カ月以内となっています。育児休暇や育児休業なども福利厚生として含まれているのもポイントです。妊娠中、子供が保育園から小学校就学までの期間、男女社員を対象に残業削減する制度も設けられています。

株式会社資生堂

男性の育休制度として、育児休業取得促進のための2週間以内の育児休業有給科制度を設けています。また、最長で子供が3歳になるまで、通算5年まで取得できる育児休業も。特別の事情があるなら、同一の子供について3回まで取得できます。短期育児休業もあり、有給で連続2週間の短期育児休業制度もあります。他に、ベビーシッター制度が福利厚生としてあるのもポイントです。

育休に関する事業主が活用可能な助成金もあります

事業者にも育休制度を設けるための助成金があるので、ぜひ活用しましょう。両立支援等助成金(出生時両立支援コース)というもので、男性労働者が育児休業をしやすい職場風土を作るための取組みを行うことで取得できます。子供の出生後8週間以内に開始する、連続14日以上の育児休業を取得することが条件のひとつです。中小企業では5日以上となります。育児目的休暇では、男性が、子供の出産前後、育児や配偶者の出産をサポートするために取得できる育児目的休暇制度を、新しく導入することが条件です。その他、育児目的休暇を取得できる風土作りや出生前6週間、または出生後8週間以内に8日以上(中小企業では5日以上)の育児目的休暇を取得することが条件となります。支給額の例として、1人目の育休取得では中小企業で57万円、中小企業以外では28.5万円です。労働生産性要件という、労働性生産性を向上させた事業所は労働関係助成金の割増も行われます。例えば57万円が72万円に、28.5万円が36万円となるためチェックしてみてください。

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社員の生活を豊かにすることが会社の発展につながります

育休制度は社員の生活を豊かにするため必要な制度です。給与はもちろん、福利厚生制度が整っている会社には、大、中、小企業関係なく、自然と優秀な人材が集まるものです。同時に、入社後、育児と仕事の両立に悩んだ上での離職を防ぐこともできます。社員も生活に余裕ができればより一層仕事にはげむ可能性もあり、結果として会社の発展につながるのです。男性の育休制度を積極的に取り入れている企業は多くあります。すでに導入している企業を参考にしながら育休制度を設けて、魅力的な会社を目指してください。

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。