起業するには、当然のことですが先立つものが必要です。業種によって必要なお金はさまざまですが、IT企業を起業するための費用は、比較的少なくて済むのが一般的となっています。「もの」ではなく「頭」で勝負する業種ですから、設備投資にかける費用は、サーバのシステム構築やコンピュータ関連機器の設置などが主になるからです。そのため、IT企業では優秀な人材の確保が必要で初期経費として、雇用に多くの力を注ぐべきでしょう。無から有を作り出すのがIT企業の生命線であり、それが事業形態だからです。IT企業を起業する人は少なくありませんが、その中から成功するのは並大抵ではありません。ここでは、IT企業を起業するために有用な助成金や補助金について詳しく説明します。
起業は簡単でも、それを継続していくことは難しく、そのためのさまざまな補助金制度があります。また、雇用を創出するための助成金もさまざまで、補助金・助成金ともに事業の継続・雇用の創出のために大いに活用したいものです。
目次
起業するための補助金
比較的起業時に費用がかからないとされるIT企業ですが、それでも必要なお金は確保しておきたいものです。特に返済の必要のない補助金は大いに活用しましょう。
地域創造的起業補助金
①概要
創業補助金とも呼ばれていて、名前の通り創業するための補助金です。新たな雇用やニーズを創出し地域経済に貢献する事業者に対してかかる費用の一部を補助します。
②支給金
外部資金調達がない:50万円以上100万円以内
外部資金調達がある:50万円以上200万円以内
※補助率は2分の1で平成30年度の実績です。平成31年度の概要はこれから(平成30年度は4月27日より募集開始)です。
事業承継補助金
① 概要
事業の承継をきっかけとして経営の刷新を図る中小企業事業者に対し、その費用の一部を補助します。
②支給金
補助率は2分の1から3分の2で、上限は200万円までとなっています。
小規模事業者持続化補助金
①概要
小売業、サービス業、製造業者に対しての補助金で従業員の人数制限があります。※IT事業者であれば5名以内
②支給金
補助率は3分の2で、上限は50万円までとなっています。
ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金
① 概要
ものづくり補助金として知られているもので、製造業向けの性格が強いとされている補助金ですが、IT企業も該当します。設備投資の費用を補助してもらえるので、補助金制度の中でも金額が大きく、起業時や業容拡大の際にぜひとも活用したい補助金です。
②支給金
補助率は3分の2で、上限は1,000万円までとなっています。公募は年2回(2月、8月)です。
企業の維持と雇用に関する助成金
IT企業ならではの人材確保と雇用創出、さらには必要な機器の導入費用についての助成金・補助金を紹介します。
IT導入補助金
① 概要
企業内IT化を促進するための補助金です。IT企業であれば、設備投資の全てが対象になるといっていいでしょう。金額も大きく、創業時や業容拡大に際してぜひとも活用したい補助金です。
②支給金
補助率は2分の1。金額は40万円から450万円までとなっています。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
①概要
雇用が特に不足している地域において、事業者が雇用を促進する際に助成されます。立地を考慮することなくテレワークを実施できるIT企業向きの助成金です。地方で雇用創出を促進することで地域貢献もできます。
②支給金 ※創業時
設置整備費用 | 2~4人 | 5~9人 | 10~19人 | 20人以上 |
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300万円以上1,000万円未満 | 50万円 | 80万円 | 150万円 | 300万円 |
1,000万円以上3,000万円未満 | 60万円 | 100万円 | 200万円 | 400万円 |
3,000万円以上4,000万円未満 | 90万円 | 150万円 | 300万円 | 600万円 |
5,000万円以上 | 120万円 | 200万円 | 400万円 | 800万円 |
人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
①概要
働き方改革に取り組む上で、人材を確保するために必要な費用を助成します。
②支給金
- 計画達成助成 新規雇用1人あたり60万円(短時間労働者40万円)
- 目標達成助成 生産要件を満たした場合、1人あたり15万円(短時間労働者10万円)
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
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IT関連の起業は比較的とりかかりやすいとされています。起業は誰でもできますが、難しいのは存続させることです。そのためには優秀な人材の確保が不可欠ですが、雇用には企業としての体裁も整えなくてはいけません。志だけで人が集まることは容易ではないのです。企業として存続していくためには、自分の力だけではなく、補助金や助成金を有効に活用することが大切と言えるでしょう。