新規に従業員を採用する場合や従業員の働く環境を改善するために、残業時間の上限を設定したり保育所を設置する場合には厚生労働省が管轄している助成金制度を利用できる可能性があります。資金負担の軽減につながりますので積極的に活用するとよいでしょう。
しかし、制度を理解して申請するのは専門的な知識が必要ですし手間もかかりますので中小企業の経営者の中には助成金制度を十分活用できていないという人もいるでしょう。そこで、助成金制度の概要をお伝えした上で助成金の申請代行サービスについてご紹介します。
目次
厚生労働省の雇用関係助成金
厚生労働省では健康や医療、子育て、福祉介護そして労務や雇用などさまざまな社会保険関係の制度を管轄しています。また、それに伴って保険適用を受ける事務所の行政指導なども行っています。そして雇用関係の制度の中には、雇用の維持拡大をサポートする労務関係の助成金制度も含まれています。中小企業の経営者は雇用関係の助成金を活用することで雇用に関する費用のサポートを受けることができます。
助成金を受給するメリットは返済する必要がない資金が得られることです。銀行などからの融資を受ける場合は返済が必要ですし利子の負担も発生します。助成金を受給する場合は返済不要ですので積極的に活用することをおすすめします。助成金の制度は多岐にわたりますので事業の状況に応じて制度を使い分けることがポイントとなります。
それぞれの助成金には個別に受給要件が設定されていますので、条件を満たす助成金を見つける必要があります。助成金のデメリットとしては、申請の時期が限られているものがあることや使える資金が後払いになるものがあることです。制度をよく理解して活用するようにしましょう。(※1)
中小企業の経営者が知っておきたい主な助成金
中小企業の経営者が知っておきたい助成金は主に7つあります。その7つとは、以下の通りです。
- 従業員の雇用維持を図る場合の助成金
- 従業員を新たに採用する場合の助成金
- 障害者等の雇用環境整備関係の助成金
- 雇用環境の整備関係の助成金
- 仕事と家庭の両立に取り組む場合の助成金
- 従業員のキャリアアップ・人材育成関係の助成金
- 労働時間・賃金・健康確保・勤労者福祉関係の助成金
この中でも今すぐ当てはまりそうな助成金があると思った方もいらっしゃるかもしれませんね!それぞれ簡単に説明していきたいと思います。
1.従業員の雇用維持を図る場合の助成金
休業や教育訓練、出向などによる従業員を雇い続けることに対して雇用調整助成金が支給される場合があります。
2.従業員を新たに採用する場合の助成金
高齢の労働者などを雇用する場合の特定求職者開発助成金や、正社員になることを希望する未経験者を試験的に雇う場合に利用できるトライアル雇用助成金などを知っておくとよいでしょう。
3.障害者等の雇用環境整備関係の助成金
障害者向けの施設などを設置して5人以上の障害者を雇う場合に利用可能な中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金などがあります。
4.雇用環境の整備関係の助成金
評価や待遇に関する制度や研修制度、メンター制度などを整えることで得られる職場定着支援助成金などがあげられます。
5.仕事と家庭の両立に取り組む場合の助成金
事業所内に保育関連施設を設置・増設したり運営したりすると両立支援等助成金などを受給できる可能性があります。
6.従業員のキャリアアップ・人材育成関係の助成金
期間契約の労働者を正社員等に転換する場合に利用できるキャリアアップ助成金がよく知られています。
7.労働時間・賃金・健康確保・勤労者福祉関係の助成金
残業時間を削減したり残業時間の上限を設けたりすると受給できる場合があります。(※2)
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説助成金申請手続き
助成金を受給するためには条件を満たしていることを証明する書類や事務所の業務内容に関する書類、場合によっては事業計画書など将来の事業展望を示す書類がなどを用意する必要があります。その上で、サイトから申請書をダウンロードします。エクセルやワードなどのフォーマットのものが用意されている場合がほとんどです。
電子申請に対応している制度もありますが多くの場合は書面での提出が求められますので、フォーマットに必要事項を入力して印刷後に必要な書類を添付して申請を行います。
随時申請を受け付けている助成金もありますが、申請期間が指定されている場合もありますので募集要項をよく確認しましょう。
特に、新規労働者採用や保育所の設置など人に関わる新たな経営施策を実施した場合は助成金の支給対象になることが多いですので、受給できるチャンスを逃さないようにすることがポイントです。
助成金申請代行サービスの活用がおすすめ
助成金は多岐にわたりますので受給できる助成金制度があるかどうかの判断をすることが重要です。しかし、忙しい中小企業の経営者自らがすべての助成金受給の可能性をチェックするのは現実には相当な困難が伴うと考えられます。また、受給できる助成金が見つかったとしても申請書類をそろえる作業も大変です。
そういった場合は助成金申請代行サービスを活用するとよいでしょう。
申請代行サービスを活用すれば受給できる助成金の受給機会を逃すリスクを軽減できます。また、申請に関わる事務負担もなくすことができます。報酬に関しては受給した助成金の一定率を支払う契約になることが多いですので、受給額から支払う報酬を差し引いてもプラスになるはずです。社会保険労務士や社会保険労務士法人の中には申請代行サービスを実施しているところも多いですので頼れる専門家として利用を検討してみることをおすすめします。