起業するときには何かとお金が入り用になるものです。自己資金や融資で工面できたとしても、経営を安定させるためにはやはりそれなりの資金が必要になります。
起業の失敗する会社の多くが、1年以内に資金不足を理由に倒産するなんていわれているくらいですから、起業時に資金を準備しておくのは長期的に事業を継続していくためにはとても重要なことです。今回は、神奈川県で起業する場合に活用できる返済不要の資金である助成金・補助金のご紹介をしていきたいと思います。
横浜市創業促進助成金
横浜市内で創業する場合に創業時に必要になる経費の一部を助成してもらうことができる制度です。この助成金は毎年出ているもので、4月頃から公募が始まるので、横浜市経済局のHPをよくチェックしておくようにしましょう。対象となる経費は店舗借り入れ費、設備費、広報費など様々なものが当てはまるので、どのような業態の創業であっても当てはまるはずです。
助成金を受け取るためにはセミナーを受講する必要がありますが、最大30万円の助成金を得ることができるので、創業間もないタイミングではありがたいですね!
新技術・新製品開発等支援事業補助金
神奈川県の一部の地域では、県内の中小企業が新商品や新製品を開発し事業化を進めるにあたって、研究開発に必要な費用を助成してくれます。この補助金は、神奈川県内で1年以上事業を営むものが対象ですが、1年未満であっても指定の施設等に入居することで受給することができます。
アイデアはあるけれど、資金不足で研究開発が進められないという場合は、この補助金を活用しましょう!毎年4月から公募が始まるので、他の助成金や補助金と合わせて要チェックです!
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金とは、何らかの理由で就職が困難な求職者を3ヶ月間試験的に雇用することで受給することができる助成金です。
起業して間もない頃というのは、どうしても人手が足りないもの。かといって、求人サイトに広告を出す余裕がないという方も多いのではないでしょうか。そんな場合に活用できるのが、トライアル雇用助成金です。
この助成金を利用して人材を雇用した場合、1ヶ月あたり4万円(片親家庭の親であれば5万円)3ヶ月で合計12万円(15万円)を厚生労働省が助成してくれます。「せっかく高い広告費を支払って雇用した人間がすぐに退職してしまった」なんてリスクを分散することもできますので、開業時には是非活用したい助成金です。
もちろん、3ヶ月のトライアル雇用期間が過ぎても雇用し続けることも可能です。
特定求職者雇用開発助成金
60歳以上の高齢者をハローワークからの紹介によって2年以上継続することで支給される助成金です。支給額は短時間労働である場合は最大40万円、8時間労働である場合は最大60万円です。
近年は一億総活躍社会ともいわれており、60歳を超えても社会に参加し続けたいと希望する高齢者も多いです。こういった経験豊富な高齢者を雇用してさらに助成金まで受け取れるとてもありがたい制度です。
一般的な企業は長期雇用を希望しますから、年齢を理由に雇用されない場合もある現状。しかし長年日本の経済を支えてきた高齢者の持つ経験や知識というのはとても貴重なものです。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、厚生労働省から支給される助成金で労働者に訓練(OJTやセミナー参加等)を施すことで、その訓練に必要になった経費や訓練中の時給の一部を補助してもらうことが可能なものです。
日本は20年連続で先進国の中で最低の生産性を叩き出しています。これを改善するための助成金が人材開発支援助成金です。
この助成金はわざわざ高額なセミナーに参加しなくても社内研修でも受け取ることができますので、例えばトライアル雇用助成金などで雇用した労働者に対して事務作業の研修を行ったりすることで受給することもできます。
起業して間もない頃というのは、なんとか事業を軌道に乗せるために忙しいですが、時間をとって労働者の生産性を高めるほうが長期的に見れば楽になります。例えばエクセルの関数が使えない人材よりも関数を使いこなす人材のほうが何倍も事務作業は早くなるでしょう。手打ちなら3時間かかる作業を5分で終わらせることができれば、その分労働者の手が空きますから、将来的な人件費の削減にも繋がります。
まとめ
助成金や補助金には、厚生労働省から支給されるものと自治体から支給されるものの2種類がありますが、今回はまとめて神奈川県で起業をする場合に有用な助成金と補助金のご紹介をしてきました。
上記で紹介した補助金や助成金のほかにも、例えばITツールの導入によって受け取れる補助金や、非正規雇用社を正規雇用に転換することで受け取ることができる助成金も存在します。
こういった情報は自治体や厚生労働省、経済産業省の公式サイトで発信されていますが、ご存知ない方も多いのが現状です。これはとても勿体無いので、しっかり情報を収集して上手く資金調達をするようにしましょう。