高齢者が安全で快適に暮らせる社会を目指す「エイジフレンドリー社会」の実現に向け、特に注目すべき制度が「エイジフレンドリー補助金」です。
高齢者向けのサービスや施設、さらには地域社会全体の高齢者対応を強化するための施策を支援するもので、バリアフリー化や福祉施設の充実など、高齢者の生活環境を向上させるための資金調達手段として、多岐にわたる取り組みに活用できます。
そこで、この記事ではエイジフレンドリー補助金の概要や申請方法、補助金額について詳しく解説します。
エイジフリー補助金とは
エイジフリー補助金とは、「高齢者を含む労働者が安心安全に仕事に従事できるように、労働災害防止対策や労働者の健康保持増進のための取り組みを支援する制度」です。
対象事業主の要件は、「労災保険に加入している中小企業事業者」「60歳以上の高年齢同労者を常時1名以上雇用している事業者」となっています。
令和7年度ではエイジフリー補助金は強化されることが決定しており、新設コースを含めた4つのコースが設置される予定です。
- 【新設】エイジフレンドリー総合対策コース
- 職場環境改善コース
- 転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース
- コラボヘルスコース
2025年4月22日現在、令和7年度の募集内容の詳細は公表されていないため、この記事では厚生労働省の「令和7年度予算概要」をもとに、各コースの内容を解説します。※本記事は、令和7年度の公募内容の見込みによるものであるため、変更となる可能性があります。


【新設】エイジフリー補助金(エイジフレンドリー総合対策コース)
ここでは、エイジフリー補助金のうち、新設される予定のエイジフレンドリー総合対策コースについて解説します。
エイジフリー補助金(エイジフレンドリー総合対策コース)とは、「専門家によるリスクアセスメントによって自社に潜む課題を見つけ、優先順位の高い対策を実施した事業者を支援するコース」です。
エイジフレンドリー総合対策コースが設置見込みとなった背景には、本補助金の対象となる中小企業事業者では独自にリスクアセスメント結果に基づく優先順位付けをすることが困難であることが挙げられます。
ここでは、厚生労働省の「令和7年度予算概要」で設置見込みとなっている内容を解説します。
対象となる取り組み
エイジフリー補助金(エイジフレンドリー総合対策コース)の対象となる主な取り組みをまとめました。
- 専門家によるリスクアセスメントにかかった費用
- リスクアセスメントの結果を評価したうえで、優先順位の高い対策の実施にかかった経費(機器の導入、・工事の施工など)
補助率・補助上限額
エイジフリー補助金(エイジフレンドリー総合対策コース)の補助率・補助上限額は以下のとおりです。
補助率 | 4/5 |
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補助上限額 | 100万円 |
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説エイジフリー補助金(転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース)
エイジフリー補助金(転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース)とは、「労働者の転倒防止や腰痛予防のために、専門家による運動プログラムに基づいた身体機能のチェックや運動指導などを行う事業者を支援するコース」です。
対象となる取り組み
エイジフリー補助金(転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース)の対象となる主な取り組みをまとめました。
- 専門家による運動プログラムに基づいた「転倒防止」・「腰痛予防」のための身体機能のチェックや運動指導などの実施
※転倒防止・腰痛予防以外の運動指導は、対象外となります。
専門家とは、医師や理学療法士、健康運動指導士、労働安全・衛生コンサルタント・アスレティックトレーナーなどが挙げられます。
補助率・補助上限額
エイジフリー補助金(転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース)の補助率・補助上限額は以下のとおりです。
補助率 | 3/4 |
---|---|
補助上限額 | 100万円 |


エイジフリー補助金(職場環境改善コース)
エイジフリー補助金(職場環境改善コース)とは、「高年齢労働者にとって危険な場所や負担が大きい作業を解消するための取り組みを行った事業者を支援するコース」です。
このコースでは、1年以上事業を実施している事業場が対象となります。
対象となる取り組み
エイジフリー補助金(職場環境改善コース)の対象となる主な取り組みをまとめました。
- 高年齢労働者にとって危険な場所や負担の大きい作業の解消
例えば、作業場所の床や通路の段差解消のための対策の実施や滑り止めのための対策、パワーアシストスーツの導入などが挙げられます。
補助率・補助上限額
エイジフリー補助金(職場環境改善コース)の補助率・補助上限額は以下のとおりです。
補助率 | 1/2 |
---|---|
補助上限額 | 100万円 |
エイジフリー補助金(コラボヘルスコース)
エイジフリー補助金(コラボヘルスコース)とは、「事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用したコラボヘルスなどの労働者の健康保持増進のための取り組みを行う事業主を支援するコース」です。
コラボヘルスとは、医療保険者(協会けんぽなど)と事業者が連携し、労働者に対する健康づくりを効果的・効率的に実行することを指します。
対象となる取り組み
エイジフリー補助金(コラボヘルスコース)の対象となる主な取り組みをまとめました。
- 事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用した、労働者の健康保持増進のための取り組み
具体的には、産業医や保健師などによる健康教育や研修、コラボヘルスを推進するためのシステムの導入、栄養・保健指導などが挙げられます。
またコラボヘルスコースを活用するには、事業者検診情報が医療保険者に提供されていることが前提となることに注意が必要です。
補助率・補助上限額
エイジフリー補助金(コラボヘルスコース)の補助率・補助上限額は以下のとおりです。
補助率 | 3/4 |
---|---|
補助上限額 | 30万円 |


エイジフレンドリー補助金の申請の流れ
エイジフレンドリー補助金の申請の流れをまとめました。
- エイジフレンドリー補助金事務センターから、交付申請書類をダウンロードしたのち、入力・提出する
- 審査に採択され、交付決定通知が行われる
- 事業を実施する(導入機器の発注や工事の施工など)
- 事業完了後、「実績報告書及び精算払請求書」などの支払い請求に関する書類を提出する
- 書類を確認後、補助金が交付される
注意点は、交付決定通知書が届く前に事業(発注・購入・施工)を行った場合、補助金の対象外となることです。必ず、交付決定通知が届いてから事業を実施しましょう。
また書類の提出は、郵送または宅配便でのみ受付となっています。そのため、期日内に送付できるように早めに準備することが大切です。
まとめ
この記事ではエイジフレンドリー補助金の概要や申請方法、補助金額について解説しました。
エイジフリー補助金とは、高齢者を含めた労働者が安全に働くことを実現するための環境整備や健康保持増進のための取り組みを補助する制度です。特に高年齢労働者が多い事業者や、人材不足解消に向けて高齢者の雇用を推進する事業者においては、申請することがおすすめの補助金といえます。
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