業務改善助成金は、自社の設備投資を行いながら、賃上げの費用負担を軽減できる助成金です。そのため、多くの企業が活用して事業体制の強化に役立ててきました。
実は、業務改善助成金の対象には個人事業主も含まれていることをご存知でしょうか。
この記事では個人事業主向けに業務改善助成金の要件や助成額、申請する際の注意点について解説します。
目次
業務改善助成金とは
業務改善助成金とは、「生産性向上に関する取り組み」と「事業場内最低賃金の30円以上の引上げ」を行った事業主を支援する制度です。
助成対象となる経費は、生産性向上にかかる設備投資や経営コンサルティングにかかった費用などが挙げられます。事業規模や業種によって異なるものの、これまででは以下のような取り組みが助成対象となっています。
業種 | 従業員数 | 事業場内最低賃金の引上げ | 行った取り組み |
---|---|---|---|
食料品製造業 | 4人 | 857円→952円 | 冷凍自動販売機の導入 |
無店舗小売業 | 12人 | 920円→980円 | バキュームクレーンの導入 |
飲食店 | 7人 | 830円→920円 | テイクアウトの受注用に予約サイトを開設 |
社会福祉・介護事業 | 7人 | 1,040円→1,130円 | 電動昇降用モーターベッドの導入 |
飲食店 | 10人 | 1,000円→1,090円 | 調理機器の導入 ほめ方を学ぶほめ育研修の実施 |
こうした取り組みを行いながら、最低賃金の引き上げにかかる人件費の負担を低減できるため、多種多様な企業が業務改善助成金を活用しています。
業務改善助成金の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【令和6年度】業務改善助成金とは?変更点や助成額、支給要件を解説


業務改善助成金は個人事業主も対象!要件とは?
業務改善助成金の対象範囲は「中小企業・小規模事業者」であり、個人事業主も含まれています。
ただし、すべての個人事業主が対象ではなく、業務改善助成金の受給要件を満たす個人事業主のみが申請できます。
ここでは、業務改善助成金の対象事業主の要件を解説します。
対象事業者の要件
対象となる事業者は、以下の3つの要件を満たす事業主です。
- 中小企業・小規模事業者であること
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
- 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
ここでいう中小企業・小規模事業者とは、「資本金または出資額」もしくは「常時使用する労働者数」が以下を満たす事業者を指します。
業種 | 資本金または出資額 | 常時使用する労働者数 | |
---|---|---|---|
小売業 | 小売業、飲食店など | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 物品賃貸業、宿泊業、医療・福祉・複合サービス事業など | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 農業、林業、漁業、建設業、製造業、運輸業、金融業など | 3億円以下 | 300人以下 |
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説業務改善助成金の助成額・助成率は?
業務改善助成金の助成金額は、「取り組みにかかった経費に助成率を乗じた金額」です。
・助成率
助成率は、引き上げ前の事業場内最低賃金によって以下のように異なります。
引き上げ前の事業場内最低賃金 | 900円未満 | 900円以上 950円未満 |
950円以上 |
---|---|---|---|
助成率 | 9/10 | 4/5(9/10) | 3/4(4/5) |
※()内は生産性要件に該当した場合
・助成上限額
助成上限額が定められており、事業場内最低賃金の引き上げ額によって「30円コース」「45円コース」「60円コース」「90円コース」の4つに分かれています。
業務改善助成金の助成額・助成率の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【令和6年度】業務改善助成金とは?変更点や助成額、支給要件を解説


個人事業主が業務改善助成金を受給するためにやるべきこと
ここでは、個人事業主が業務改善助成金を受給するためにやるべきことを解説します。
支給要件・不交付要件を確認すること
まずは支給要件とともに不交付要件についても確認することが大切です。不交付要件の主な内容を簡潔にまとめました。
- 所定期間内に、労働者を解雇した場合
- 所定期間内に、賃金を引き下げた場合
- 所定期間内に、所定労働時間が短縮または所定労働日が減少した場合
- 所定期間内に、対象経費や賃金引上げを対象とする他の補助金や助成金を受けていた場合
- 所定期間内に、労働関係法令に違反していることが明らかになった場合
- 事業者または事業者が法人の場合に、役員や業務を統括する者に暴力団員がいる等の場合
- 所定期間内に、労働保険の保険料を滞納している場合
上記について不安な点がある、または詳細について知りたい場合には、助成金のコンサルタントに相談しましょう。自社が業務改善助成金に申請できるかどうかを確実に判断できます。
参照:厚生労働省|中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)交付要綱
期日までに書類を提出すること
業務改善助成金は、申請したらすぐに助成金を受給できるものではなく、定められた申請手順を、それぞれの工程の期日までに確実に実行することが求められます。
例えば、生産性に関する取り組みや賃上げを行ったあとには、実績報告書を提出する必要があります。また助成金を受給後にも、状況報告を提出しなければなりません。
このような工程を経て、すべてのプロセスを完了するには約1年かかる場合もあるため、申請フローをよく理解し、期日までに必要書類を提出することが大切です。
助成金コンサルに申請サポートを依頼すること
個人事業主の多くは、経理や労務管理なども自分で行っており「助成金申請にかかる時間をつくることが難しい」と感じている方も多いでしょう。
そうした場合には、助成金コンサルに申請サポートを依頼することがおすすめです。
助成金申請にかかる工程の多くを任せられるだけでなく、支給要件を満たすサポートも可能であるため、確実な業務改善助成金の受給を目指せます。
助成金の仕組みがよくわからないという方も、まずは助成金コンサルに相談してみることで、スムーズな受給につながるでしょう。
個人事業主が業務改善助成金を申請する場合の注意点
ここでは、個人事業主が業務改善助成金を申請する場合の注意点を解説します。
事業計画や自己資金に見合った改善や投資を行うこと
業務改善助成金は、取り組みにかかった費用が全額支給されるものではなく、自己資金で補完することが求められます。特に事業場内最低賃金の引き上げは、一時的な費用の増大ではなく長期的な人件費の増大につながります。
そのため、助成金を受給できるとはいえ、自己資金や事業全体の計画に見合った範囲内で投資することが重要です。
正確な労務管理が必要になる
業務改善助成金を受給するには、日常的な労務管理を正確に行うことが求められます。
特に業務改善助成金に直結する給与支払いや社会保険、勤怠管理、労働時間の適正管理などは、書類を整備することが大切です。
現在の労務管理に不安がある場合には、助成金コンサルタントに相談するのもおすすめです。
受給した場合、会計処理が必要
業務改善助成金を受給できた場合、助成金を正確に会計処理することが大切です。
助成金は、事業所得の一部として計上する、仕訳を2回に分けて行うなど、助成金ならではの処理が必要になることも理解しておきましょう。
助成金の会計処理の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:助成金・補助金の会計処理とは?勘定科目や会計時の注意点について解説


まとめ
この記事では、個人事業主向けに業務改善助成金を受給するために行うべきことや注意点を解説しました。
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が対象事業者であるため、個人事業主も申請できます。個人事業主が申請する場合には、事業計画に合った投資計画を立てることや正確な労務管理を行うことなど、特に注意すべきポイントがあります。
業務改善助成金の受給を検討している個人事業主の方は、プロのコンサルタントに依頼すると確実な受給につながります。まず以下から無料相談を試してみてはいかがでしょうか。
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