助成金は、返済不要の資金。中小企業が経営を行っていく上で上手に活用することはとても大切な存在です。
助成金の種類は多岐に渡り、その要件や申請時期などは助成金の種類によって違います。
更に毎年受給条件や受給額が変更するので、受給条件の確認や提出する申請書類が変わり、経営者がすべてを把握するには多くの時間と労力が必要です。
そこで登場するのが“助成金コンサルティング”。助成金のプロが受給条件の確認や申請書類の準備などサポートするので、助成金把握のために多くの時間と労力を割く必要がありません。
では、助成金コンサルティングが中小企業で適応される助成金の種類や必要書類などどこまでサポートするのか見ていきましょう。
目次
厚生労働省管轄の助成金とは?
助成金とは、厚生労働省が中小企業に対して返済不要の資金を支給する助成金制度です。この助成金を活用するにあたって、“助成金とは何か”を正しく理解する必要があります。
そもそも厚生労働省は、医療や年金、社会保険、労務、雇用などの労働行政を管轄している省庁です。これらの管轄分野のうち、特に雇用環境の改善などの取り組みを行う中小企業に対して助成がされます。
補助金との違い
経済産業省や地方自治体も補助金と呼ばれる制度を設けています。助成金同様に返済義務がありませんが、期間内に応募をし、提出書類の審査を経て補助金を受け取ることができるのかどうかが決まるのです。
条件さえ満たしていれば、受け取ることができる助成金と比べても難易度が高いといえます。
助成金は申請時期や予算についての制限が少ないため、中小企業が経営を行っていく上で強い味方です。(※1)
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説中小企業向け助成金の種類
中小企業が利用できる助成金の種類はかなりの数にのぼりますが、以下の5つの分野に大別できます。
- 雇用維持・拡大に関する助成金
- 障害者等雇用の助成金
- 雇用環境の整備に関する助成金
- ワークライフバランスや福利厚生の整備に関する助成金
- 従業員のキャリアアップに関する助成金
それぞれ以下で解説していきたいと思います。
1.雇用維持・拡大に関する助成金
教育訓練を行うことで離職を防止や、グループ会社への出向などで雇用調整をすることで雇用維持を行った会社に支給される助成金です。
新規に従業員を採用した場合は、対象者の違いにより受給できる助成金は変わります。
○雇用調整助成金
景気の変動や経済上の事情で経営の縮小をしなくてはならない事業主が一時的な雇用調整のよって従業員の雇用を維持した場合に支給されます。
○トライアル雇用助成金
職業経験、技能、知識等から安定的な就職が困難な求職者を一定期間試行雇用した場合に支給されます。
2.障害者等雇用の助成金
主なものとしては、障害者向けの施設を整備した上で5人以上の障害者を雇用すると受給できる中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金があります。
3.雇用環境の整備に関する助成金
○職場定着支援助成金
指導員にあたるメンターを定める制度を導入したり評価制度や研修制度を整えたりした会社に支給される助成金です
○時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)
所定外労働時間の削減や年次有給休暇の取得促進等を図る中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部が助成されます。
4.ワークライフバランスや福利厚生の整備に関する助成金
仕事と家庭の両立をサポートする制度や施設を整備した会社が受給できる助成金です。
○両立支援等助成金
男性労働者に育児休暇の取得の支援や、育児休業後の円滑な職場復帰のための取組みを行った企業にたいして支給される助成金です。
育児以外にも、女性が活躍できる環境推進や、介護離職の防止への取組みにも助成が行われます。
5.従業員のキャリアアップに関する助成金
○キャリアアップ助成金
従業員の能力向上や生産性アップのためにあり、8つのコースに分かれています。
有期契約(2年更新の契約など)で働く人を無期契約や正規雇用に転換した場合や、一部の有期契約労働者等の基本給の賃金規定を2%以上増額し、昇給させた場合などに支給されます。(※2)
助成金申請に必要な書類とは
助成金申請の際に必要な書類は主に以下の6点です。
- 登記簿謄本
- 就業規則
- 雇用保険番号
- 賃金台帳
- 出勤簿
- 雇用契約書
※助成金の種類のよって必要な書類は異なり上記以外にも多くの書類提出の必要があります。
助成金の申請代行サービスって?
助成金は返済不要の資金が得られるメリットがある反面、申請に必要な各種書類を準備して申請手続きを行う必要があります。その手間を解消するのが助成金の申請代行サービスです。
忙しくて助成金に頼りたいけど、時間がなくて泣く泣く諦めていた経営者の方も多かったのではないでしょうか。
しかし、助成金コンサルティングを活用することで、ノウハウや実績がある社会労務士が行政との対応や申請書類作成を行います。
雇用維持や新規雇用に対する助成金の場合には、採用実績を証明する書類、残業削減に対する助成金の場合には残業時間に関する書類の提出が必要です。助成金の種類によっては就業規則等を添付するケースがあるので、忙しい経営者からしてみれば負担は大きいものです。
受給条件の判断や申請手続きには助成金コンサルティングを活用しよう
助成金を受給するためには求められる条件を満たす必要があります。
事業所が雇用保険に加入していること等、いずれの助成金においても求められる共通の条件はありますが、個々に要件を定めているものがほとんどです。
数多くの助成金から自社が受給できる可能性があるものを探し出し条件を確認する作業は大変です。中小企業の経営者はその時間が十分とれない可能性もありますよね。条件に合致するかどうかを判断するにあたって専門的な知識が求められる場合もあります。
申請手続きに関しても同様に手間がかかり、経営業務に専念するためにも助成金に関して、助成金コンサルティングの利用がおすすめです。
コンサルタントに依頼するにあたって、報酬を支払う必要はありますが、受給できた助成金の一定率を報酬としているケースが多く持ち出しになることはほとんどありません。
おわりに
助成金にはさまざまな種類があり、特に中小企業の支援のための制度が多く存在しています。
助成金コンサルティングは数多くある制度の中からどんな助成金を受給できる可能性があるか、受給するためにはどのような制度導入が必要かを教えてくれます。
そして実際に審査に向けての書類作成など受給を円滑にするためのサポートを行います。
助成金コンサルティングによる事業者支援を実施している社会保険労務士や社会保険労務士法人を積極的に活用して確実に助成金を受け取り、事業拡大や雇用安定のための資金にしましょう。