「独立開業で一国一城の主になる!」「もう会社の雇われで働きたくない!」そんな思いを抱いて日々を過ごしているサラリーマンの方は少なくないでしょう。サラリーマ脱サラして起業をすることは魅力的に感じますが、起業に乗り出せずにじっと辛抱して会社勤めを続けている方が多いのも事実です。

独立して事業展開しようとすると、資金リスクというものが自分の肩に重くのしかかってくることが原因の一つとしてあげられます。会社経営はさまざまな出費がかさむものですが、それを少しでも軽減するための支援制度が助成金です。

助成金とは労働者に対して国から支給される心強い援助資金です。

実は 起業の他にも障がい者や難病を抱えた方の就労支援に適用される補助金もあるのです。

そこで今回は助成金を申請する流れ、あまり知られていない助成金などをご紹介していきます。

起業家の味方?助成金ってどんなもの?

助成金と聞いて何となく「お金がもらえるんでしょ」と考えるかもしれません。確かに間違ってはいないのですが、助成金の目的をしっかり把握して事業計画を立てなければ受給の申請が通りません。事業を起こすと必ず何かしらの出費がかさみます。もの作りを営むなら、何をどこでどのように作るのか、誰に作ってもらうのか、どこまで売れる見積もりなのかなど、さまざまな行程において準備資金が必要になります。

資金リスクを考えると起業をする人が現れにくくなりますが、国家レベルで考えたときに新しい仕事が生まれないと経済全体の低下を招き、国の生産性を落とす事態にもなりかねません。

そこで少しでも開業へのハードルを下げるために、国からお金を支援するという政策をとるようにしています。もちろん「資金を援助するからにはより確実性の高い事業経営をしてください」というのが助成金の受給条件です。いくつかの条件を達成したうえで晴れて国から助成金を受け取れるのです。

種類はさまざま… どんな助成金があるの?

助成金といっても種類が沢山あります。まず大きく研究関係と雇用関係に分けることができます。研究関係では主に大学などの研究に必要な資金が国から支給されます。研究となると大学などの研究機関が主な対象になりあまり一般的とはいえません。

雇用関係の助成金は会社を経営しているまたは開業しようとしている個人から法人までさまざまな人が適応となるので、一般に関わることがあるなら雇用関係の助成金でしょう。

雇用関係の助成金には、例えば従業員を雇い入れるための助成金や離職した従業員の補助をするための労働環境を整えるものなどがあります。なかには家庭と仕事を両立するための助成金などもあるので、従業員に子どもを授かった家庭などがあればこのような助成金制度は知っておきたいところです。(※1)

Check!

「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!

助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

知っておきたい助成金申請の流れ

助成金をもらうためにはいくつかの受給条件があり、申請が認められてやっと資金がもらえます。しかし 助成金は決まった期限内に申請をしないと、受給することができず損をする状況になりかねません。まずは助成金申請の流れを押さえておくことが重要です。

細かい点は助成金の種類ごとに違う部分があるので割愛しますが、助成金申請の流れのイメージを持っておくことでいざ書類を扱うときにスムーズに動きやすくなるでしょう。

まずは自分が会社を興すまたは経営している地域を管轄している労働局またはハローワークで助成金をもらう手続きをします。この時に助成金の種類によって提出する申請書が違いますが、国は「この会社は本当にお金を渡す価値があるのか」「従業員を大切にしているのか」という点を評価しています。そのため、条件にも従業員の雇い入れ率や離職率が挙げられています。よっぽどずさんな経営をしていない限りはたいていの会社が助成金の恩恵を受けられるでしょう。

助成金申請の書類につきものなのが、事業計画です。どのような事業をしている会社なのか、経営状況はどうかなどを労働局の人がチェックするのです。それが認められると、その計画にそって事業を進めていきます。それから助成金受給の申請手続きをして労働局に受理されれば、資金が国からされるという流れです。(※1)

社会参加をあきらめないで… 難病に立ち向かう制度「難治性疾患患者雇用開発助成金」

助成金はあらゆる角度から事業主を手助けしてくれます。数多くの助成金がありますが、ここではあまり知られていない助成金について触れましょう。

「難治性疾患患者雇用開発助成金」というものです。名前が長くとっつきにくさを感じる方もいるかもしれませんが、この助成金は 現在の医療では治療が困難な病気を抱えている人たちが社会に出て働くことを支援するという目的で、ハローワークの職業紹介により常用労働者として雇用をする事業主に対して賃金の一部に相当する額を助成します。また、雇用から約6か月後にハローワーク職員が職場訪問を行い、最大で135万円が会社に受給されます。

このお金は、病気を抱えている人に渡す賃金を保証するという名目で受給されます。病気の発症によって労働が困難となり、社会参加が断たれてしまう患者が多いのですが、この補助金の制度により雇い主に雇用するメリットが生まれるので労働しやすくなることが期待されます。難病を患った方の雇用は何かとリスクがつきものですが、逆に捉えれば潜在的な労働力を確保できる可能性が広がることにもなります。助成金をもらいながら労働環境の整備を行えるというのですから、これから事業を始める、またはすでに経営者の方はこの雇用関係の助成金制度について知っておきたいところです。(※2)

参考サイト

まとめ

独立して開業を行うにはまずは資金が必要です。資金をなるべくおさえて開業をするために助成金を活用しようと思っても申請書の作成方法が分からない、制度や種類が沢山ありすぎて自分にあった補助金を見つけられない、なんてことが起こり受給できずに何百万円と損をしてしまう可能性があります。そんな時は専門家に相談するのも一つの選択肢です。事業にあった好条件な制度を紹介してくれるはずです。

助成金を使って賢く資金繰りの計画をたてて、円滑な会社経営をしましょう。

助成金申請を完全サポート 助成金申請を完全サポート
弊社担当のご紹介
黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。