国をあげて「働き方改革」に取り組んでいこうという動きが活性化している昨今。都心部の大企業では、無理な残業や休日出勤を廃止していこうという取り組みが非常に盛んになっています。

一方、地方では「働き方改革」が浸透しにくいという現実があるのも事実です。地方企業は古い体質が残っているところも多く、週休二日制を導入するのさえ難しいことも少なくありません。そこでおすすめしたいのが助成金の活用です。働き方改革を試みようとしている企業が利用できる助成金を紹介します。

残業時間を削減すると国から補助金がもらえる?

労働環境を改善しようという時、まず気になるのが残業時間です。従業員を過労で疲弊させず、プライベートの時間も確保できるように残業を少なくしたいと考えながらも、なかなか実行できない企業もあるでしょう。

そんな時に活用したい制度が厚生労働省の「時間外労働等改善助成金」です。

  • 時間外労働上限設定コース
  • 勤務間インターバル導入コース
  • 職場意識改善コース
  • テレワークコース
  • 団体推進コース

という5つのコースが用意されていて、さまざまな方法で労働時間を短縮しようとしている企業を支援します。

それぞれのコースによって上限額は異なりますが、1企業あたり年間25万円~500万円までが支給されます。「残業時間を減らしても生産性は向上させたい」と考えている企業はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

助成金を利用して職場改善!

時間外労働等改善助成金を使って実際にどのような職場改善ができるのでしょうか。地方の古い企業体質を改めることに成功した例をいくつか紹介します。

新しいPCの導入で作業を効率化

時間外労働等改善助成金は、労働能率をアップするための設備、機器などを購入することにも使えます。地方の中小企業は最新PCに買い換える余裕がないところも少なくありません。助成金で買ったハイスペックマシンで作業効率が一気にアップ。その結果、週休二日制を実現できたという企業もあります。

古い意識を改めることに成功

企業体質を変えるには、まず、1人1人の意識を変えていかなければいけません。時間外労働等改善助成金は、従業員の意識を改革するための研修を実施するために使用することも可能です。同時に助成金を使って社会保険労務士、中小企業診断士などのコンサルティングを受けるなどして、古い意識を改めることに成功した例もあります。

テレワークを推進

時間外労働等改善助成金はテレワークを実施するためのルーターなどの購入、保守サポートやクラウドサポートの導入にも使用できます。自宅やサテライトオフィスで働けるようになったことで、育児や介護と仕事の両立もしやすくなりました。また、地方の中小企業が都心部の優秀な人材を採用しやすくなった点も好評です。

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助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

まとめ

地方の中小企業の中には旧態依然とした経営をしているところも少なくありません。36協定を違反しているような長時間にわたる残業でも長年の習慣になっていて、問題にされないことも多々あります。しかし、ワーク・ライフ・バランスを考えない働き方はもはや過去のものです。できるだけ早く改善に取り組んではいかがでしょうか。

しかし、人手も少ない地方の中小企業では「労働時間を短縮すると、やるべき仕事が終わらない」という悩みもつきものです。そんな時は、補助金を活用して作業効率をアップさせつつ、労働時間短縮に取り組むことをおすすめします。古い企業体質は一朝一夕で変わるものではないかもしれません。それでも、変化しないままでは企業の存続そのものにもかかわってきます。補助金を利用しながら積極的に改革を進めてみてはいかがでしょうか。

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。