ものづくり補助金に採択されれば、革新的な設備投資や業務改革を行う中小企業は、心強いサポートを受けられます。

しかし、申請手順やスケジュールは明確に定められているため、事前の準備が欠かせません。公募開始から採択発表、交付申請、事業実施、報告書の提出まで、段階的なスケジュールをきちんと把握しておくことで、申請ミスやスケジュールの遅延を回避できるでしょう。

そこで、この記事では、ものづくり補助金の2025年版スケジュールと申請手続きの流れをわかりやすく解説します。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、「革新的な新製品・新サービス開発や海外需要開拓に必要な設備投資などに取り組む中小企業・小規模事業者に対し、経費の一部を補助する制度」のことです。

ものづくり補助金は、取り組み内容によって2つのコースに区分されています。

製品・サービス高付加価値化枠 革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備・システム投資などを支援するコース
グローバル枠 海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資などを支援するコース

各コースの詳細については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2025年最新】ものづくり補助金とは?各コースを徹底解説

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【20次公募】ものづくり補助金の申請の流れ・スケジュール

20次公募におけるものづくり補助金の申請の流れ・スケジュールを解説します。

1.事前準備を行う

申請を行う前に、以下のような事前準備を行いましょう。

  • 申請を予定している申請受付の日程を確認する
  • 公募要領をよく読む
  • 過去の採択事例を確認し、傾向を研究する
  • 補助金コンサルに申請サポートを依頼する

ものづくり補助金は、数ある補助金の中でも人気のある制度の一つです。また、採択率はおおよそ30%~60%台を推移しており、公表されている直近18次の公募における全体の採択率は35.8%と低い水準でした。

そのため、ものづくり補助金で採択される確率を高めるには、事前準備が欠かせません。補助金に関する知識やノウハウがあまりない場合には、補助金コンサルに申請サポートを依頼することがおすすめです。

関連記事:助成金・補助金はコンサルに依頼すべき?費用相場や選び方を解説

2.申請を行う

ものづくり補助金の申請は、電子申請システム「GビズID」でのみ受け付けています。
そのため、まずGビズIDプライムアカウントを取得していない場合には、早めに利用登録を行ってください。

20次公募の場合には、以下のような申請スケジュールになっています。

  • 公募開始:2025年4月25日
  • 申請受付開始:2025年7月1日17:00
  • 申請受付締切:2025年7月25日17:00

申請の多くは、システム上で情報を直接入力することになりますが、事前に準備が必要な書類もあります。以下に、システム入力できる情報と申請書類として準備が必要な情報についてまとめました。

システム入力できる情報 申請書類の準備が必要な情報
  • 基本情報
  • 次世代法一般事業主行動計画公表の確認(従業員数21名以上の場合)
  • 事業計画書
  • 補助経費に関する誓約書
  • 賃金引上げ計画の誓約書
  • 最低賃金引上げ特例に係る状況の確認資料(特例適用を申請する場合)
  • 加点関係資料(該当する場合)
  • 決算書など
  • 従業員数の確認資料
  • 再生事業者に係る確認書(再生事業者に該当する場合)
  • 大幅な賃上げ特例に係る計画書(特例適用を申請する場合)
  •  最低賃金引上げ特例に係る状況の確認資料(特例適用を申請する場合)
  • 資金調達に係る確認書(金融機関から資金調達をする場合)
  • 海外事業の準備状況を示す書類(グローバル枠への申請を行う場合)
  • 加点関係資料(該当する場合)

3. 補助金交付候補の採択・不採択が通知される

公募期間の終了後、申請内容をもとに審査され、補助金交付候補の採択・不採択が決定します。申請した場合には、採択・不採択通知が届くため、採択結果の発表を見逃さないようにしましょう。

20次公募の場合には、採択結果は2025年10月下旬ごろが予定されています。

4.交付申請を行う

補助金交付候補に採択されたら、次に交付申請を行います。
交付申請を行う理由は、「事業計画書で申請した機器設備などの金額が適切か」「申請した機器設備などが補助金の目的に適しているか」などを調査するためです。

そのため、交付申請は、原則採択発表日から遅くとも2か月以内と定められています。20次公募の場合には、2025年12月下旬ごろまでに申請する必要がありますが、できる限り早く申請しましょう。

5.補助対象事業を実施する

補助対象事業を実施します。
申請時に提出した事業計画書に則って設備投資などの事業を実施してください。この時点ではものづくり補助金は受給できないため、資金調達が必要な場合には、金融機関からの融資などの方法で調達する必要があります。

6.補助対象事業の実施報告を行う

補助対象事業を実施したら、実施報告を行います。
実績報告では、実施成果や目標の達成度などを記載した実績報告書を作成し、期限内に提出してください。計画に基づいて事業を実施し、適切な事業報告を行いましょう。

7.支給・不支給が通知される

実績報告書をもとに確定検査が実施され、補助金の最終的な支給・不支給が決定します。
問題がなければ交付される補助金額が確定し、補助金確定通知書が届きます。

8.補助金が振り込まれる

補助金確定通知書が届いたら、補助金の請求を行いましょう。指定した銀行口座に補助金が入金されます。

9.事業化状況報告を実施する

補助事業終了後5年間にわたり、毎年4月に以下の内容を報告する必要があります。

  • 事業化状況・知的財産権等報告書
  • 事業化状況等の実態把握調査票
  • 返還計算シート
  • 直近の決算書(知的財産権の報告は、交付決定から報告対象年度終了時点までの決算書)
  • 報告年3月分の賃金台帳

事業化状況報告は、事業化状況・知的財産権等報告システムから報告できます。

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ものづくり補助金における申請時の注意点

ものづくり補助金における申請時の注意点を解説します。

申請期日を遵守する

ものづくり補助金では、各申請手順において細かく申請期日が設定されています。そして、1日でも申請期日を守れないと、補助金は不支給となるため、注意が必要です。

特に「GビスID」アカウントの取得には、2週間~1か月程度かかる場合もあります。申請を検討している段階で取得しておくと良いでしょう。

採択されても、補助対象とならない可能性がある

ものづくり補助金の申請手順では、「申請→採択決定→交付申請→交付決定」と段階的に審査が実施されます。そのため、採択されたとしても「補助金交付候補」となっただけであり、交付が確定するわけではありません。

ものづくり補助金が振り込まれたのちも、事業化状況報告を継続的に行う必要があります。各工程で実施すべきことを確認し、確実に取り組みましょう。

採択前の取り組みは補助対象外となる

採択決定前に行った設備投資などの事業は、補助対象外として定められています。必ず、公募要領を確認し、期間中に事業を実施しましょう。

不安がある場合には、補助金コンサルタントに申請サポートを依頼することがおすすめです。「採択されたのに、人的ミスで補助金を受け取れなくなった」ということがないよう、万全の準備を行いましょう。

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まとめ

この記事では、ものづくり補助金の申請の流れ・スケジュール、申請時の注意点を解説しました。

ものづくり補助金は、受給できれば自社の事業活動に大きなプラスの影響を与えてくれる制度です。しかし、採択されたとしても、定められた手順や期日を守って手続きを行わなければ、補助対象外と判断されてしまう可能性もあります。

そのため、ものづくり補助金の受給を検討している事業主の方は、プロのコンサルタントへの依頼がおすすめです。採択される確率を高められるため、まず以下から無料相談を試してみてはいかがでしょうか。
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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。