キャリアアップ助成金には6つのコースがあり、それぞれに異なる支給要件や申請書類が設けられています。細かく項目が分類されていることから、まずは要綱をよく理解することが大切です。

しかし、要綱を確認しても「自社の場合には適合しているのか」を見極めるのが難しい場合もあるでしょう。その場合には細かな質問に回答してまとめているQ&Aを確認することがおすすめです。

そこで、この記事ではキャリアアップ助成金におけるよくある質問をQ&A形式にまとめて解説します。

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、パート・アルバイトや派遣労働者、契約社員などの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するために「正社員化」「処遇改善」の取り組みを実施した事業主を助成する制度です。

キャリアアップ助成金には、以下の6つのコースがあります。取り組み内容によってコースを選ぶ必要があります。支給要件や助成額・助成率がコースによって異なるため、それぞれのコースの要綱を確認しましょう。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 賞与・退職金制度導入コース
  • 社会保険適用時処遇改善コース

キャリアアップ助成金の各コースの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2025最新】キャリアアップ助成金とは?助成額や申請の流れを解説

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【全コース共通】キャリアアップ助成金のよくあるQ&A

ここでは、キャリアアップ助成金全コース共通のよくあるQ&Aについて解説します。

キャリアアップ計画に関するQ&A

キャリアアップ計画に関するQ&Aをまとめました。

1 Q キャリアアップ管理者には、どのような人を選任すべき?
A 以下のいずれかを選任することが適しています。

  • その事務所に雇用されている者のうち、非正規雇用労働者のキャリアアップに取り組むために必要な知識や経験がある人
  • 事業主や役員
2 Q 1人のキャリアアップ管理者が、複数の事務所のキャリアアップ管理者を兼務できますか?
A 兼務はできないため、いずれか一方のみが有効になります。キャリアアップ管理者は、雇用保険適用事業所ごとに設置してください。
3 Q 店長も含め、事業所に有期雇用労働者しかいない場合、有期雇用労働者であってもキャリアアップ管理者になることは可能ですか?
A 有期雇用労働者であっても、Q1を満たす適性があれば、キャリアアップ管理者に選任することは可能です。
4 Q 労働者代表は、社内の者であれば誰を選任しても良いのでしょうか。
A 労働者代表は、適用事業所単位における非正規雇用労働者も含むすべての労働者の代表であることが必要です。
ただし、必ずしも労働組合や労働者の過半数を代表する人でなくても構いません。
5 Q 計画期間の満了日の翌日に正社員転換を予定している場合、どのようにしたら良いでしょうか。
A 計画期間の満了日の翌日を始期とする新たなキャリアアップ計画の認定を受ける必要があります。
この場合、提出日が旧計画期間の終期よりも前であっても、計画期間の重複がなく、取り組み予定日が近い場合には新たな計画書として提出することが可能です。(旧計画期間の終期から1か月前を目安に提出することが必要)

参照:厚生労働省|キャリアアップ助成金Q&A(令和6年度版)

支給申請に関するQ&A

支給申請に関するQ&Aをまとめました。

1 Q キャリアアップ計画書を紛失しましたが、再交付してもらえますか?
A よく確認のうえ、それでも見つからない場合には管轄の労働局またはハローワークに問い合わせてください。
2 Q 支給申請書類は郵送で提出することは可能ですか?
A はい、郵送での提出も可能ですので、管轄の労働局またはハローワークに問い合わせてください。
ただし、支給申請期間内に届かなかった場合や添付書類の不足がある場合、記入ミス・記入漏れなどがある場合には、郵送後不受理になる可能性があることを理解したうえで郵送してください。
3 Q 添付書類を見やすいように、原本を加工するなどして作成した書類を提出しても良いでしょうか?
A いいえ。添付書類は、根拠法令に基づき、実際に使用者が記入しているものまたは原本を複写機などの機材で複写したものに限られます。
原本と相違した内容の書類が提出した場合には、不正受給となる可能性があるため、注意してください。
4 Q 従業員数が10人未満の場合にも、就業規則を作成し、提出することが必須ですか?
A はい。就業規則への規定が必要なコースを実施する場合、就業規則または労働協約を作成し、必要な規定を整備したうえで労働者に明示して取り組みを実施する必要があります。

関連記事:【規定例あり】キャリアアップ助成金に対応した就業規則とは?必要事項を解説

参照:厚生労働省|キャリアアップ助成金Q&A(令和6年度版)

支給要件に関するQ&A

支給要件に関するQ&Aをまとめました。

1 Q 支給申請期間中に対象者が離職した場合、支給申請できるのでしょうか?
A いいえ、基本的には受給できません。ただし、以下の場合には問い合わせてください。

  • 本人の都合による離職
  • 天災やその他やむを得ない理由により、事業継続が困難になった場合
  • 本人の責めに帰すべき理由による解雇
2 Q 外国人労働者はキャリアアップ助成金の対象になりますか?
A 基本的には、対象になります。
ただし、正社員化コースにおいては、「外国人技能実習生」「在留資格が特定技能1号である者」「EPA受け入れ人材として看護師・介護福祉士試験合格前の者」の場合には、支給対象外です。

参照:厚生労働省|キャリアアップ助成金Q&A(令和6年度版)

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【正社員化コース】キャリアアップ助成金のよくあるQ&A

ここでは、正社員化コースのよくあるQ&Aについて解説します。

1 Q 「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」のある正社員の要件について教えてください。
A 正社員の要件を満たすには、以下の2つについて取り組むことが必要です。

  • 就業規則または労働協約に、賞与や退職金、昇給が正社員に適用することを具体的かつ明確に規定すること
  • 上記の就業規則または労働協約に基づき、「賞与または退職金のうち、いずれか1制度以上」と「昇給」を申請事業所の正社員に適用すること

関連記事:【規定例あり】キャリアアップ助成金に対応した就業規則とは?必要事項を解説

2 Q 「決算賞与」は正社員の定義である「賞与」に該当しますか?
A いいえ、「決算賞与」は支給の有無が会社の業績に依存するため、要件に該当しません。
原則として支給が明瞭でない賞与のみを適用している場合には、「賞与」の要件を満たしていないと判断されます。
3 Q 非正規雇用労働者定義の変更において、「賃金の額または計算方法が正社員と異なる就業規則」とはどのようなことでしょうか?
A 以下のいずれか一つ以上で、正規雇用労働者と賃金の額または計算方法が異なる制度を明示的に定めている場合、支給対象になり得るということです。

  • 基本給
  • 賞与
  • 退職金
  • 各種手当
4 Q 正社員転換後に、一定期間の試用期間を設けています。この期間は支給対象になりますか?
A いいえ、試用期間は正社員とは認められません。
試用期間中は、非正規雇用(無期)と判断されるため、「無期→正規」の申請として扱われることになります。そのため、正社員転換を希望する者の見極めは、原則として転換前や転換時に行うことを推奨しています。
5 Q 事業所の就業規則に、「正規雇用の定年年齢を60歳」と規定しており、63歳で新たに雇用した有期雇用労働者を正規雇用へ転換させた場合、支給対象になりますか?
A いいえ、定年年齢を超えた労働者の正規雇用への転換は、助成対象外となります。
また事業所で正規雇用の待遇を受けていた労働者が定年を迎えたあとに、正規雇用に転換する場合も助成対象にはなりません。

参照:厚生労働省|キャリアアップ助成金Q&A(令和6年度版)

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【社会保険適用時処遇改善コース】キャリアアップ助成金のよくあるQ&A

社会保険適用時処遇改善コースのよくあるQ&Aについて解説します。

1 Q 労働者が副業・兼業した場合にも対象になりますか?
A はい、雇用保険者となる事務所においては、副業・兼業であっても助成対象となります。
2 Q 社会保険適用促進手当を支給する場合、手当について就業規則または賃金規定を変更する必要はありますか?
A はい、就業規則または賃金規定への規定が必要です。
変更後には、労働組合(ない場合には労働者の過半数を代表する者)の意見書を添付して、所定の労働基準監督署に届け出てください。
3 Q 労働時間延長メニューの要件において、社会保険の適用からすぐに取り組みを開始することが難しい場合、猶予措置はありますか?
A はい、準備期間として「社会保険の適用日の1か月前の日~3か月経過する日までの期間」が設けられています。この間に取り組みを行うことで、助成措置の対象になります。

参照:厚生労働省|キャリアアップ助成金(社会保険適用時処遇改善コース)に関するQ&A

まとめ

この記事では、キャリアアップ助成金におけるよくある質問をQ&A形式にまとめて解説しました。

基本的な要件を確認しても「自社の場合は適用されるのだろうか」と疑問が解消しない企業の方も多いでしょう。ここではよくある質問についてまとめましたが、まだ不明点が残る企業は、助成金コンサルタントに依頼することがおすすめです。

助成金コンサルタントに相談することで、自社の状況を確認したうえで、要件を満たしているかどうかについて確実な判断をしてもらうことが可能です。まず以下から無料相談を試してみてはいかがでしょうか。
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弊社担当のご紹介
黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。