雇用調整助成金は、景気の変動や産業構造の変化などの経済上の理由により、事業活動を縮小している事業主を支援する制度です。雇用維持のために行う休業・教育訓練・出向にかかる費用が助成されます。

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しかし、雇用調整助成金を受給するには支給要件を満たすとともに正しく申請書類を準備し、提出することが必要です。はじめて助成金を申請する場合には、申請書類の作成に不安を抱えている方も多いでしょう。

そこで、この記事では雇用調整助成金の申請書類一覧の解説と、書類の記入例を紹介します。

雇用調整助成金に必要な申請書類①休業・教育訓練

雇用調整助成金において休業・教育訓練を行う場合に、必要な申請書類を解説します。最新情報や細かな内容は、厚生労働省のホームページをご覧いただくか、助成金コンサルにご相談ください。

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計画届に必要な書類

計画届に必要な書類は、以下のとおりです。

書類の種類 休業 教育訓練
様式第1号(1) 休業等実施計画(変更)届 毎回
様式第1号(2) 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書 初回のみ
様式第1号(4) 雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書 初回のみ
様式第1号(3) 休業・教育訓練計画一覧表 教育訓練も実施する場合、教育訓練の分と併せて提出できる 毎回
(変更の都度)
確認書類(1) 休業協定書・教育訓練協定書 初回のみ
(失効時に再提出)
確認書類(2) 事業所の状況に関する書類 初回のみ
確認書類(3) 教育訓練の内容に関する書類 毎回

参照:厚生労働省「雇用調整助成金」

支給申請に必要な書類

支給申請時に必要な書類は、以下のとおりです。

書類の種類 休業 教育訓練
様式第5号(1) 支給申請書(休業等) 毎回
様式第5号(2)の2 助成額算定書 毎回
様式第5号(3) 休業・教育訓練実績一覧表及び所定外労働等の実施状況に関する申出書 毎回
様式第13号 雇用調整助成金支給申請合意書 毎回
共通要領様式第1号 支給要件確認申立書 毎回
確認書類(5) 労働・休日及び休業・教育訓練の実績に関する書類 毎回
確認書類(6) 教育訓練の受講実績に関する書類 毎回

参照:厚生労働省「雇用調整助成金」

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【記入例】雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届の書き方

休業・教育訓練を行う場合に必要な申請書類のうち、「雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届」について解説します。

雇用調整助成金休業等実施計画(変更)届は、休業・教育訓練において実施する内容を記入するものです。

基本的には、項目のとおりに記入していけば問題ありませんが、わかりにくい点について解説と記入例をまとめました。

  • ①届出事業主の状況(1)常時雇用する労働者の数
    常時雇用する労働者数は、届出日において「2か月を超えて使用される者であり、かつ、週当たりの所定労働時間が当該企業の通常の従業員と概ね同等である者」の数を記入します。
  • (教育訓練の場合)④教育訓練内容(4)教育訓練の内容
    教育訓練で実施する訓練や習得予定の技術・ノウハウについて記入します。
    【記入例】製品の品質管理の専門知識を付与する。
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【記入例】雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書の書き方

休業・教育訓練を行う場合に必要な申請書類のうち、「雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書」について解説します。

雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書とは、助成金の支給要件にもなっている生産指標の判定に必要な書類です。
月間売上残高か生産量などの判定期間の指標において、前年と比較したときの減少割合を記入します。

基本的には、項目のとおりに記入していけば問題ありませんが、わかりにくい点について解説と記入例をまとめました。

  • 「A 支給対象期間の前の3か月の平均」、「B Aに対応する機関の平均」
    A、B欄は3か月の平均値を記入します。計算の端数が生じる場合には、小数点以下を四捨五入します。
    ※初回の計画届提出後に決算処理などにより数値に変更があった場合には、実施計画の変更届の提出が必要です。
  • 事業内容の詳細及び「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由」による事業活動の縮小の内容について具体的に記述すること。
    【記入例】当社は、一般住宅の壁や天井、商業施設などの建築に必要な合板の製造を行っている。取引先の工場が操業停止したことで、原材料の入手が困難となり、在庫もない状況。その結果、受注を受けられなくなったことで、売上が前年同期比でおよそ30%減少した。
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雇用調整助成金(休業等)支給申請書の書き方

休業・教育訓練を行う場合に必要な申請書類のうち、「雇用調整助成金(休業等)支給申請書」について解説します。

雇用調整助成金(休業等)支給申請書は、休業・教育訓練を実施したのち、助成金の申請のために作成する書類です。実際に取り組んだ内容について記入します。
判定基礎期間ごとに作成し、支給対象期間の末日の翌日から起算して2か月以内(ただし支給申請にかかる休業手当または賃金の支払日以降に限る)に提出することが必要です。

基本的には、項目のとおりに記入していけば問題ありませんが、わかりにくい点について解説します。

  • ③休業等の規模(3)月間従業等延日数
    残業相殺した後の休業延日数と教育訓練延日数の合計の日数を記入します。
  • ④助成額の算定(3)助成対象となる月間休業等延日数
    残業相殺した後の休業延日数と教育訓練延日数の合計の日数を記入します。

雇用調整助成金に必要な申請書類②出向

雇用調整助成金において出向を行う場合に、必要な申請書類を解説します。最新情報や細かな内容は、厚生労働省のホームページをご覧いただくか、助成金コンサルにご相談ください。

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計画に必要な書類

計画届出時に必要な書類は、以下のとおりです。

書類の種類 提出するタイミング
様式第2号(1) 出向等実施計画(変更)届 毎回
様式第2号(2) 雇用調整実施事業所の事業活動の状況に関する申出書 初回のみ
様式第2号(3) 雇用調整実施事業所の雇用指標の状況に関する申出書 初回のみ
確認書類(1) 出向協定書 初回と変更があったとき
(失効時、再提出)
確認書類(2) 事業所の状況に関する書類 初回のみ
確認書類(7) 出向契約に関する書類 初回と変更があったとき

参照:厚生労働省「雇用調整助成金」

支給申請に必要な書類

支給申請時に必要な書類は、以下のとおりです。

書類の種類 提出するタイミング
様式第6号(1) 支給申請書(出向) 毎回
様式第6号(2) 出向先事業所調書
様式第6号(3) 出向に関する確認書
様式第6号(4) 出向元事業所賃金補填額・負担額調書
共通要領様式第1号 支給要件確認申立書
確認書類(8) 出向の実績に関する書類

参照:厚生労働省「雇用調整助成金」

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雇用調整助成金(出向)支給申請書の書き方

休業・教育訓練を行う場合に必要な申請書類のうち、「雇用調整助成金(出向)支給申請書」について解説します。

雇用調整助成金(出向)支給申請書は、出向実施後に助成金を受けるために提出する申請書です。休業・教育訓練とは様式が異なるため注意してください。

基本的には、項目のとおりに記入していけば問題ありませんが、わかりにくい点について解説します。

  • ①出向元事業所(5)支給申請に係る出向
    「出向元事業所支給対象賃金補填額調書」または「出向元事業所支給対象賃金負担額調書」の②欄の合計数を記入します。
  • ①出向元事業所(6)当該対象期間の助成金支給対象賃金補填(負担)額
    「出向元事業所支給対象賃金補填額調書」または「出向元事業所支給対象賃金負担額調書」の⑬欄の合計を記入します。

まとめ

この記事では、雇用調整助成金の申請書類一覧の解説と、書類の記入例を紹介しました。

申請書類は、必ず裏付けとなる添付書類とともに提出することが必要です。少しでも嘘を記入してしまうと不正受給となり、ペナルティを受ける可能性があるため、必ず事実確認しながら記入しましょう。

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。