労働者の減少に伴い、個人が転職を考えることも容易になってきています。離職の理由は個人によってまちまちですが、労働に対する考え方も大きく変化していることから、離職率が上がってしまっているという企業も増えているそうです。

離職率が高くなると、業績は右肩上がりとはいかなくなります。採用コストなども増えることになりますので、会社にとっては大ダメージです。できるだけ早く社員の離職を防止することを考える必要があります。離職を防止するためには、どんな対策が有効なのでしょうか?

離職率は高い会社の特長とは?

社員の離職率が高い会社には、特有の傾向がみられます。まずは、自分の会社の状態をチェックし直すことが大切です。

社員の不満として一番多いのは、勤務時間が長いという問題です。慢性的に長時間勤務や残業が当たり前になっていたり、早朝出勤・夜勤が多かったりする職場は、社員の疲労やストレスが溜まりやすくなります。また、ストレスを発散させるために休日を家族や知人との楽しい時間にしようとしても、休日が不規則であると約束が難しく、充実した休みを取ることができません。このような弊害から、またストレスが溜まり、結果的に離職に繋がってしまうのです。

次に離職の原因の上位に挙がっているのが、人間関係の悩みです。人間関係の悪い職場は精神的な苦痛に繋がります。いつも威圧的でワンマンな経営者や上司がいるだけで、職場に行くことが嫌になってしまいます。また、部下の立場から上司に発言しにくい雰囲気の会社は、のびのびと働くことが難しくなります。仕事以外のことでハラスメントやいじめがあるという会社も要注意です。

給与体系が不透明な会社も不満が生じやすくなります。特に、個人の業績やスキルが客観的に評価されていないケースでは離職を考えることも多くなるようです。上司の気分や好き嫌いで歪んだ評価しかできず、実質的な働きに応じた給与が与えられていないと、社員は当然不満を持ちます。いまだに年功序列型の給与体系が根強く、仕事ができなくても勤務年数が長いほど給与が高い会社も少なくありません。そのような企業体質だと若い人の働くモチベーションが上がりにくくなるため、結果的に離職率を上げてしまいます。

離職を防止する対策とは?

離職を防止することが会社の業績に影響するなら、できるだけ早く離職防止のために対策を取るべきです。最近では働き方改革が推奨され、仕事とプライベートをしっかりと分け、仕事のクオリティーを上げるためにプライベートを充実させたいという考え方が定着しています。育児休暇や介護休暇だけでなく、家族や友人と旅行に行ったり、趣味を楽しんだりするための有給休暇を気楽に利用できることが大切です。また、レジャー施設やテーマパークなどの娯楽施設や宿泊施設が割安で利用できるような、社員に寄り添った福利厚生の充実も必要となります。

社員にはそれぞれの生活や各家庭の事情があり、皆が常に同じような労働条件で働くことはできません。会社が個人個人に理解を示すことが重要です。つまり、会社が社員一人ひとりに寄り添った様々なワークスタイルを提示することも将来的に必要不可欠となってくるのです。子供がまだ小さく手のかかる社員には、時短勤務や在宅ワークを可能にしていくと離職を止めることができます。病気治療で毎日通院が必要な社員には、フレックスタイムを適応することも考えていきましょう。社員を大切にする体制を確立させることで、同時に社員の満足度が上がります。

給与に対しては、個人の実質的な業績、会社への貢献度など客観的なデータに基づいて正当に評価していきましょう。透明性のある給与体制を設け、社員それぞれが納得できる会社にすることが大切です。頑張って仕事をして会社の業績に貢献している人に多額の給与が支払われている場合、社員は会社に不満を持ちません。しかし、管理職でありながらマネジメント能力も低く、勤務年数が長いだけで高い給与が支払われていると、若い有能な人材を逃してしまうリスクが高くなります。個人の仕事の質を正当に評価できているかどうか、今一度チェックしてみましょう。

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道政典子
道政典子(助成金コンサルタント)
入社3年目。助成金申請サポート含む複数事業を展開する会社の経営経験を活かし、主に助成金を活用した女性が働きやすい環境づくりをサポート。現在は年間80社以上の企業を支援する。