パン屋を開業したいが儲かるかどうか不安な人もいるでしょう。パン屋が儲かる根拠として、原価率が安いという話もあります。その話だけを信じ、自分で確かめて慎重に検討しないと、開業したのはよいものの、すぐに行き詰まることになりかねません。

食べ物を売るという大きなくくりで原価率を考えると、一般的な飲食店の原価率は30%といわれています。一方、パン屋の原価率は10%程度。売上100万円を基準に考え、原価率を差し引いた利益を考えると、飲食店は約70万円。パン屋は約90万円の利益が期待できます。しかし、これはあくまで数字の上での話。原価率から導き出した想定利益だけを信じ、儲かると判断してパン屋を開業すると、思わぬ落とし穴にハマるかもしれないので気をつけましょう。

パン屋の売上を試算してみる

勢いでパン屋を開業する前に売上をシミュレーションしてみてください。ひとつのパンを約200円で販売したとします。そのパンを、一人あたり3つ買うと想定しましょう。結果、客単価は約600円です。

次に、どこで販売するか考えてください。例えば、東高円寺駅を仮定します。東高円寺は客数が特別に多い駅ではありません。東メトロホームが公表している2017年度の駅別人員順位表では、130駅中、1日平均36,043人で102位です。23区内ではお世辞にも客数が多いとはいえない駅だからこそ、現実を確認するために有効となります。

東高円寺の客数の1%が来店してくれることを仮定した場合、36043×0.01=360(四捨五入)360人が1カ月毎日買ってくれたとします。360人×30日×600円=648万円です。東高円寺というそこまで多くの客数が見込めない駅前でも、単純に考えるとこれだけの利益が期待できます。数字だけ見ればかなり儲かるように思えますが、経営では経費のことも考えなければなりません。

1ヶ月の経費を試算してみた

パン屋の経営はなんの自己負担もなく利益を得られるものではありません。経費のことを踏まえて利益のシミュレーションをしましょう。

基本的に、駅前物件の家賃は高額になりがちで、10坪50万円もめずらしくありません。仮に駅前でパン屋ができる物件があったとして、30坪150万円と想定します。1カ月に150万円を支払うのは大きな負担になりますね。

しかし経費は家賃だけではありません。人件費のことも考えてください。1日に360人の来店があると仮定した場合レジは最低でも2台程度欲しい所です。パンを作る係も最低2名は必要。1日の営業時間を8時間とし、仕込みの時間を2時間として計算します。2名×2時間+4名×8時間=36時間です。忙しい時間だけ限定でアルバイトなどを雇うとして40時間。時給1200円とすれば、単純に人件費は1カ月約144万円。これはキリ良く150万円で計算します。

また、パンを作るなら材料費も必要です。パンの原価率を10%としてパン1個が200円で3つずつお客が買ってくれたら600円です。600円×360人×30日×0.1=約65万円。パンを作るなら水道光熱費も一般家庭の利用料とは比べ物になりません。オーブンをたくさん使うので、電気代は7万円以上。水道も合わせると10万円です。

ここにトレイ、トング、消毒液や袋、おしぼりなど、コーヒーを出すならカップなどの備品を考えれば約20万円。駅前にあってもチラシやインターネットで広告を出さなければ、存在を知ってもらえません。広告宣伝費として、HP作成やポータルサイトへの掲載、新商品のための看板も考えると、約10万円を見ておきましょう。経費全般をすべてプラスしたら約405万円です。どこの駅で開業するか、バイト代、備品に関し節約するとしても、それ相応の金額が必要となります。

ただしパン屋は廃棄がある

パン屋に限らず飲食店で共通する問題のひとつに客が来ないことがあげられます。パンの利益として仮に約648万円を出しましたが、あくまですべて売れたケースです。648万円から経費の405万を差し引けば243万円。現実的に考えるとよほど人気が出なければ焼いたパンがすべて売り切れになるのはむずかしいでしょう。

実際、パン屋では廃棄が多く出るといわれています。パン屋の閉店時間に行ったとき、売れ残りのパンを見たことがある人も多いはずです。焼き立てパンを望む人も少なくありません。冷えたパンならコンビニエンスストアでも十分と考える人もいます。廃棄しなければならないパンを考えると、原価率10%と言いながらも実際は平均して30%になると考えられているぐらいです。売れ残りを計算に入れれば、材料費は195万円ほどになり、結果、想定できる利益は約113万円程度でしょう。

さらに、オープン時は開業資金をはじめ、設備のメンテナンス費用、税金も考えなければならず、113万円からさらに減って約80万円ぐらいになっても不思議ではありません。「廃棄はしたくない、すべて売りたい」と考えれば、閉店時間が近づいたときに割引サービスを行うのも対策となります。ただし、下手に割引をすれば閉店前まで待つお客が出はじめます。待つ人数が多くなれば結果的に売上が下がるという悪循環となる可能性もあるので注意が必要です。

開店当初は我慢が必要

実際の所パン屋をオープンしても、簡単に客数が伸びる可能性は低いです。オープン1日目は、オープンということでお客が殺到するかもしれません。ただ、本当の勝負はオープン以降です。毎日360人が訪れてパンを買ってくれるのが一番。しかし、現実はそう甘くありません。集客も簡単ではないですし開業資金の負担に悩む羽目になる可能性は高いです。

例えば、内装工事や運転資金を含めて考えると約200万円にもなります。金融機関から、資金を融資してもらっても返済に追われることになるでしょう。税金も支払わなければなりません。そのため開業するなら立地条件にこだわってください。持ち帰り販売にすれば、1日でさばける客数が増加します。パン屋を開業するなら売れる工夫やアイディアが大事になるでしょう。

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