飲食店の中でも比較的客単価が高く、原価率が安いバーは「結構稼げるのではないか?」と考えて始める方も多いと思います。今回は、バーを経営するとどれくらいの年収を得ることができるのかについて試算してみたいと思います。

純利益はどれくらい出せる?

飲食店を経営する上で重要だと言われているのはFL比率よ呼ばれるものです。FL比率とは、Food(食材)+Labor(労働者)にかかる費用を売上で割ることで導き出すことができる比率のことです。

なんだかカッコいい名前をつけて用語化していますが、早い話運営費、ランニングコストです。FL比率はだいたい50%以下となっていれば高い利益を出せていることになると言われています。そして、材料費は30%、人件費は20%という数値が目標とされることが多いです。

例えば、1日の売上が10万円だとすれば、材料費は3万円、人件費は2万円くらいが目安ということになります。つまり5万円以上手元に残ればそれは高い利益率で運営できているということになります。

1坪15万円 / 月が理想的

飲食店では1坪で15万円の売上が出せれば理想的だと言われています。これを20坪のバーで計算してみましょう。順調にFL比率を保ったまま日々の売上が推移すると、月の売上は300万円となります。

20坪×15万円=300万円

このうち、人件費が20%、材料費が30%消えるとなると、だいたい150万円くらいが手元に残ります。

――しかしこの150万円が全て手元に残るわけではありませんね。家賃や光熱費などを支払う必要があります。

その他運営に諸経費を試算してみると以下のようになります。

項目 費用 / 月
人件費 60万円
材料費 90万円
家賃(1坪あたりの家賃10,000円で試算) 20万円(※参考:東京23区内の1坪平均家賃8,834円)
光熱費 3万円
備品 2万円
その他交際費等 5万円
合計 180万円

20坪で300万円 / 月は現実的?

さて、20坪ということはだいたい65平方メートルくらいです。席数はレイアウトは物件の大きさにもよると思いますが、カウンター8席、大テーブル(6人席)1席、中テーブル(4人席)4席くらいで想定してみましょう。合計30席です。まぁ現実的な席数でしょう。

1日9時間営業するとして、3時間で1回転するとしましょう。そして1席あたりの単価は4,000円だとします。すると、1日の売上は以下の通り。

30席×3,000円×3回転=270,000円

常に満席状態が維持されれば一日で27万円です。しかしまぁそんなにうまくいかないですから、だいたい一週間均して50%くらい席が埋まっているとしましょう。すると一日13.5万円程度。無休で営業したとすれば売上は以下の通り。

135,000円×30日=405,000円

客入りが順調であれば20坪で300万円の売上は十分達成できそうな数値であると言えるでしょう。

ただ、オープンしていきなり空席率50%なんて達成できませんから、月の利益120万円はある程度常連客もついて、経営が安定してきた頃に達成できる数値であることを理解しておきましょう。

年収で見ると500万円程度が妥当?

しかし年間を通して見てみると、120万円×12ヶ月で年収1400万円!なんて簡単には行きません。

まず、売上を上げるためにはお客様に来てもらわなくてはならないですから、広告宣伝費や交際費が必要になります。例えば広告を全く出さなかったとしても、バー特有の店づきあいみたいなものがありますから、近所のお店の一周年記念でシャンパンを開けに行ったり…なんてことも考えられますね。

次に飲食店はお客様も巡るめく入れ替われば従業員も巡るめく入れ替わる業界です。継続的に人材を確保し続けるために従業員の募集のための広告を打ったりする必要も出てきます。

また、多くの人は設備を準備するために金融機関から借り入れを行うと思います。借金をする場合にはこういった初期費用も返していかなければなりません。20坪くらいであれば最低でも2,000万円くらいの資金は必要になります。5年かけて返済する場合、一ヶ月に40万円ほどの返済をすることになります。背筋がこおりますね。

――するとどうにかこうにかFL率50%という高い利益率を叩き出すことができても、年間で500万円ほど利益が出れば万々歳ということになります。

どれだけ常連客がつくかで年収は変わる

結局、どれくらいお客様が入るかによって皆さんの年収は変わってきます。そしてもっと言うなら、どれくらい常連客がついてくれるかというのが最も重要な要素です。

皆さんはパレートの法則というものをご存知でしょうか。

パレートの法則とは、「多くの事業では、2割の顧客が8割の売上を生み出している」という普遍的な法則のことを言います。水商売っぽく言うと、太客ですね。2割の太客が8割の利益をもたらしてくれていて、残りの2割の売上は新規顧客や1回限りの顧客によってもたらされるものだと言われています。

この2:8の法則は自然現象、社会現象など様々なところに当てはまると言われています。パレートの法則に従うのであれば、いかに常連客を多く掴むかという皆さんの腕次第でみなさんの年収は大きく変わります。

まとめ

バーというものは、一般的な人からすると「おしゃれ過ぎて入りにくい」という印象もあり、集客には非常に苦労するかもしれません。しかし、その経営が軌道に乗り始めると大きな利益を出すことができる店舗の種類でもあります。

――ただし、飲食店は1年目で35%、3年目で20%が閉業すると言われており、10年以上続く飲食店は僅か10%だとも言われています。これは「なんだか儲かりそう」などと甘い目算で開業をしてしまうことが原因です。

どの業態でも言えることですが、事業計画を詳細に見積もり、なんとしても成功させるという覚悟が必要です。

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