ファクタリングに違法性はあるの?法律を根拠に解説

ファクタリングに違法性はあるの?法律を根拠に解説

目次

  1. まずは結論から
  2. なぜファクタリングが違法だと言われるのか
  3. ファクタリングは貸金業なのか?
  4. ファクタリングを装った貸金は違法になる
  5. まとめ

日本ではあまり普及してこなかったファクタリングですが、最近になって改めて注目されてきました。ファクタリングとは、売掛債権を買い取ってもらうことで即現金化することができたり、売掛金の未回収リスクを低減したりするためのサービスですが、一部では、「ファクタリングは違法」という見解も挙がっています。

果たして、ファクタリングはなぜ違法だといわれるのか、また、本当に違法性はないのかということについてご紹介していきたいと思います。

まずは結論から

結論から申し上げると、現時点ではファクタリングというサービスそのものが違法ということはありません。ファクタリングは欧米では取引で頻繁に用いられる売掛金の回収方法ですし、世界的に見ても「普通なこと」と言えます。

なぜファクタリングが違法だと言われるのか

しかし、なぜ違法だという見解があるのでしょうか? それは「金融庁がファクタリングに対して明確な見解を発表していないため」です。また、法律でも明確にファクタリングに対する定義を行っていません。

このため、「ファクタリングは貸金業に該当するのではないか?」という意見があるのです。

特に2社間で行われる買い取り型ファクタリングは、ファクタリング会社も未回収のリスクを負うことになるため、高い手数料率で売掛債権を買い取ります。具体的には売掛金の10%〜30%程度の手数料を取ることになります。

貸金業法では、貸金の利息上限というものが設けられており、

  • 100万円以上の場合:上限年率15%
  • 10万円以上の場合:上限年率18%

上記を超える利息をつけると貸金業法違法になります。

このため、概ねもし仮に「ファクタリングは貸金業である」と金融庁が発言したり、新たに法律の改正があったりした場合、ファクタリング会社は貸金業法違反となってしまいます。

ファクタリングは貸金業なのか?

では、ファクタリングは貸金業なのでしょうか? 貸金業法によると、貸金業とは以下のようなものであると定められています。

この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。以下これらを総称して単に「貸付け」という。)で業として行うものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
一 国又は地方公共団体が行うもの
二 貸付けを業として行うにつき他の法律に特別の規定のある者が行うもの
三 物品の売買、運送、保管又は売買の媒介を業とする者がその取引に付随して行うもの
四 事業者がその従業者に対して行うもの
五 前各号に掲げるもののほか、資金需要者等の利益を損なうおそれがないと認められる貸付けを行う者で政令で定めるものが行うもの

現在のところ、ファクタリング(売掛債権譲渡)が貸金業であると定義するような法律はどこにもありません。このため、ファクタリングは今の所「貸金業とは言えない」というのが正しい見解だと考えて良いでしょう。

しかし、特に大手金融機関が2社間ファクタリングに参入しないことの大きな理由は、この「曖昧さ」にあります。皆さんもご存知の通り、大手金融期間は消費者金融の他、様々な貸付業を行っています。

もし仮に2社間ファクタリングに参入して、貸金業法で定められた上限年率を超えて運営していた場合、他の事業にまで影響が及ぶ可能性があります。

少なからずそういったリスクを回避するために、大手は2社間ファクタリングに参入していないのでしょう。

ファクタリングを装った貸金は違法になる

先にも解説した通り、貸金業では上限年率というものが設けられており、年率18%を超えるような利息はつけてはいけないことになっています。——しかし、ファクタリングを装って高額な貸付——いわゆる闇金の貸付を行うような場合には違法となります。

事実2017年には、ファクタリングを装って全国250社以上に貸付を行う会社が無許可で貸金業を営んでいたために摘発されることになりました。

前述した通り、ファクタリングは貸金業ではないため、貸金業者としての届け出を行う必要もありません。このため、ファクタリングになりすまして違法な貸付を行う悪徳業者が他にも存在するかもしれないのです。

まとめ

ファクタリングはまだまだ日本ではメジャーなサービスではないため、2017年の摘発もあってマイナスイメージが強いかもしれません。―—しかし、明確な規定が法律でされていないため、大手の企業もなかなか参入しにくいという状態にあります。

今後新たにファクタリングに対する規制が入ることは確実でしょうが、現時点では、ファクタリングに違法性はありません。ただし、ファクタリングを装った悪徳会社にだまされないように注意しておく必要はありそうです。

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