HACCP対応の調理場とはどのような現場か

ISOプロ担当者

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海外進出を目指す食品製造業が注意しなければいけないのは、国ごとに食品管理に関する安全基準は異なるという点です。日本国内の調理場では慣例となっている調理法も、海外の現場ではNGとなるケースも多々あります。そこでおすすめしたいのが食の安全管理に関する国際標準HACCPを基本としたISO22000の取得です。HACCP準拠ISO22000に対応した調理場の現場とはどのようなものなのでしょうか。

使用するまな板

HACCP準拠ISO22000では、食品製造業が調理場で使用するまな板はプラスチック製のみと決められています。日本国内の調理場、とくに和食の現場では寿司屋を始めとしてヒノキ製が使用されていることがほとんどでしょう。実際、ヒノキ製のまな板にはアンチバクテリア効果があるともいわれています。しかし、HACCPではヒノキ製のまな板を調理場で使用することは一切認められていません。日本では当たり前のように使用されているヒノキ製のまな板が使えないということ一つとっても、外食産業の海外進出の難しさがうかがえます。 さらに、ISO22000の要求に従うならば複数のプラスチック製まな板を用意する必要があります。魚、肉、野菜などの食材ごとに違うまな板を使用するように定められているのです。それぞれのまな板は必ず違う色のプラスチックを使用するようにして、混同を極力回避するように定められています。魚や肉についていた細菌が野菜に付着して、そのまま生サラダとして提供されることを防ぐ意味もあります。たとえ、その後にそれぞれの素材を加熱処理するとしても、同じまな板を使用することは固く禁じられているのです。 そもそも日本ではカラフルなプラスチック製まな板は、ほとんど製造販売していませんし、調理場の道具は現地調達しなければいけないことになるでしょう。郷に入れば郷に従えとはいいますが、海外進出をはかる食品製造業者が直面する現地ルールというのは思いの外多いものなのです。

プラスチック製

とにかくISO22000では食品の安全管理のためにプラスチック製を推奨しているので、木製の調理器具を数多く使用する日本食の現場ではとまどうことも多いかもしれません。たとえば、酢飯を冷ますのに使用される木製の桶の使用も禁じられています。酢飯は人肌程度が最適といわれていますが、この温度を保つのに桶はもっとも適した調理器具なのです。もし、これをプラスチック製の保存容器で代替しなければいけないとなると、いろいろな工夫をしなければいけません。このように、これまで木製の調理器具で行っていたことをプラスチック製で賄うようにするには、新しい知恵を絞らなければ行けないという点に注意が必要です。プラスチック製の桶の他にも、ご飯が黄色くならない保温器を使用するなど、いろいろな方法を考えなくてはいけません。

ペーパーの使用

日本国内の調理現場では布巾を使用するのは当たり前のことです。たとえば、まな板についた水気を拭き取るのにも使われるのは布巾です。しかし、HACCPのルールに従うならば、キッチンペーパーもしくはロールペーパーを使用しなくてはいけません。水分を拭き取るだけではなく、濾す、蒸すといった調理の際にも便利な布巾を使えないというのも、日本食の現場にとっては悩みの種となることでしょう。 また、ご飯の管理についてもHACCPはかなり厳格です。日本ならば、余ったご飯を翌日にチャーハンとして提供することもできますが、HACCPでは残りご飯の使用を一切禁止しています。その日に炊いたご飯は、その日のうちに使い切らなくてはいけないのです。したがって、お客さんの入り具合は注文状況をよくチェックして、あまりが出ないようにご飯を炊くようにしなければいけません。冷蔵保管をしてしまうと味が落ちる押し寿司なども、常温で置いて置くと「放置」と見なされてしまいます。HACCPは米食文化の地でできたものではないので、少々厳しいと感じる人もいるかもしれませんが、現地での信頼を得るためには必ずしっかりと守るようにしてください。 いかがでしたでしょうか。 HACCP準拠のISO22000に基づく厨房管理というのは、日本の現場で行っているスタイルとはかなり違うといっても過言ではありません。「そこまでしなくても」という点も多々ありますが、日本食を海外で普及させようと思ったら必ず守るようにしなければいけないことに注意しましょう。ISO22000取得には時間も費用もかかりますが、かけたコストを回収して余りある結果が必ず期待できるといっても過言ではありません。未来への投資として取り組む価値は十分にあります。日本でのローカルルールにこだわっていたら、信頼をなくしてしまうこともあります。海外での常識をいち早く理解するためにもISO22000を取得してみてはいかがでしょうか。

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