食品への異物混入対策とHACCP(ISO22000)の基礎知識

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食品への異物混入問題は、消費者側も当然人体へのリスクを考えれば過敏に反応します。食品製造業側も工場での混入を極力防ごうとしますが、現実的には完璧に無くす事は無理な面もあり、多くのメーカーでは100万個に1個以下に抑える事を目標にしているものです。

異物混入の対処を考えるのは必須であり、食品危害発生を防ぐISO等の仕組み作りが行われていますが、その考えを知った上で食品の安全について考える事が必要になります。

■HACCP(ISO22000)について

食品の異物混入等の問題は大手企業でも多発していますが、どれだけ厳しく管理を行っていても発生する可能性があります。

例えば大きさが一定以上の金属等は検出器等で確実に発見され、虫に関しても防虫対策が徹底されていれば防ぎようがあるものです。ところが工場内で働く人の毛髪や、使用ビニール等の混入リスクは付きまとい、人的な要因に関しては僅かながらでも発生しうるものと言えます。

食品の腐敗や異臭、金属検出可能なレベルの金属混入に関しては防げるのですが、毛髪が僅かでも入っているというようなクレームを完璧に防止する事は難しい面もあり、それでも食の安全を考えた様々な考え方や取り組みが為されているものです。

HACCPは食品製造や加工における様々な工程で発生リスクのある、危害分析や対策考案であり、製造過程で発生しうる問題を洗い出して重点的な管理を行います。HACCP(ISO22000)はHACCPのような食品業界だけのものではなく、全ての業界が視野に入った規格になりHACCP(ISO22000)が食品安全の国際規格とすれば、HACCPが食品安全ガイドラインと言えるものです。

■食品作りの工程管理について

様々な食品が工場で作られており、食品作りの工程の中で異物混入リスクは付きまとうものですが、食品危害の発生防止の仕組み作りとしてHACCP(ISO22000)があり、食品作り工程を管理して安全を守る事がISO22000の基本的な考えになります。

最も重点的な管理が必要になる工程ではHACCPプランに従って管理し、いついかなる状況から食品危害が生じるのかは、誰にも予測する事は無理な面もあるものです。いずれにしてもISO22000においては食品安全ハザード分析を行う事になります。

■HACCP(ISO22000)における食品安全ハザード管理

食の安全の為に食品作りの工程を管理するのですが、ISO22000では食品安全ハザード分析を行う流れがあります。

流れとしては前提条件プログラムとして個人衛生管理に始まり、各生産工程で食品危害をどのような基準によって管理するのか分析を行い、危害リスクが生じる可能性やリスク発生時の影響を考慮し、その後管理レベルを選びます。

管理レベルの選択にはOPRPと言う基本的な管理を行う工程とHACCPプランと言う重点的な管理を行う工程があり、OPRPではモニタリングを行って通常の前提条件プログラムよりも少し管理を厳しくし、HACCPでは危害発生ポイントを集中管理するものです。

ISO22000による管理の基礎知識として流れを知っておく事は望ましいと言えます。

■ISO22000は幅広い範囲で食の安全を守る

ISO22000は食品の工場生産の部分だけで安全を守るのではなく、生産から消費まで含めた段階全てに関わり、食の安全を守る事を目指しています。

ISO22000の規格範囲は食品に関連する色々な職種にまで及び、例えば飲食店や食品梱包、流通、運送、作業員の衣類、工場建設の会社等も規格範囲です。食品作りに関わっている全ての方にとって、食品安全に取り組む規格になります。

HACCPは直接食品を扱う業種、製造工程における範囲での規格ですが、ISO22000はより食の安全を追求された規格です。食品製造業のみならず、原材料調達から消費に至るまで、製造工程の食品衛生は当然のこと、さらに営業や輸送、保存にまで関わる規格です。

■HACCPの有効性とは

ISO22000と比較すればHACCPは局所的なリスク管理になり、食品衛生における三原則でもある清潔、迅速、加熱/冷却をベースにして、潜在的な危害予防が目的です。リスクを事前予知して検知するというのが最大の課題として挙がり、HACCPには7つの原則が基礎知識として存在します。

危害分析、重要管理点設定、各工程の管理基準設定、各工程監視や測定方式の設定、管理基準から逸脱した際の修正、効果検証や確認方法の設定、文書化、これらがHACCPの原則です。

一般的な衛生管理をベースにしてHACCPを構築し、食品単位で品質保証を行い食の安全を確保していく有効なものと言えます。

■まとめ

食品への異物混入は作り手、消費者双方にとって大問題であり、特に食品作りに関わる全ての業界にとってISO22000の考えは基礎知識として必要ですし、食品製造業においてはさらに深くHACCPでリスク管理や品質保証を行っていく事が大切です。

大量に生産される食品は製造工程でどんな種類の異物が、どこから混入するのか解らないものですし、100%防ぐ事は無理であっても限りなくゼロに近づけていく為の考え方や計画実行が重要になります。

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