食の国際化に向けてHACCP(ISO22000)は最終的に義務となる

ISOプロ担当者

HACCP導入が義務化されるようになった背景

この記事は2017年7月27日に更新されました。

食中毒の発生や異物の混入など、食の安全性に対する関心がこれまで以上に高まっています。当然これまでも、食品の安全性を確保するための基準や手法、制度が存在しましたが、必ずしも十分なものとは言えませんでした。実際に、従来の基準や手法の下で、食品の安全性が問題となる事例や、衛生管理施設不備という事例が多数発生してきたことが、ある意味その証拠と言えるでしょう。

これらの課題に対応するため、食品関連製造業者における新たな危害分析と衛生管理の手法の導入が、まさに直近の宿題と言え、絶対に行わなければならないという義務である、かのように言えます。特に、衛生管理制度の国際化が叫ばれており、その新たな手法として、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)による国際食品規格委員会の国際的衛生管理であるHACCP(ハサップ)導入が、食品関連製造業者においても主流となってきており、導入する事業者が増えてきているわけです。

HACCPとは何か

HACCPのHA(Hazard Analysis)とは、食品の製造段階での、事業者の施設や衛生管理不備などにより、微生物などによる汚染もしくは異物混入のような危害要因分析を意味し、CCP(Critical Control Point)とは、製造段階において、どの時点で衛生状態に対する安全対策や管理を行うべきかという基準、重要管理点を意味します。つまりHACCPとは、総合的に「危害要因分析の基づく必須(重要)管理点」と説明することが出来ます。

因みに、HACCP(ハサップ)は、元々はアメリカで宇宙食の開発のために編み出されたもので、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によって設置された政府間組織である、国際食品規格委員会 (通称・コーデックス委員会) によって発表された衛生管理手法、基準、制度です。認定されれば、国際的に認められるとともに、世界各国での採用が進められていますので、国際的な食の安全基準を満たすためには、重要な手法と考えられています。

また、ISO22000は、このHACCP(ハサップ)の衛生管理手法を前提にして、安全な食品製造を可能にする食品安全管理システムの国際規格です。食品製造業において、ISO22000を認証取得することが出来れば、食品安全管理システムを適切に導入出来ているという証明になります。

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HACCP(ISO22000)は従来の衛生管理手法とどのように違うか

今までの衛生管理手法では、製造した食品の一部を抜き取り、それを検査して安全性を確認することで、他の全体の食品の状態を推測し、安全を担保するという検査制度内容でした。しかし、あくまで全体の中の極一部の食品をチェックしただけであり、それをもって全体を安全とすることについては、大きな問題がありました。また、製造した食品において、現実に問題が発生した場合、どの時点でそれが生じたかが、後から把握しづらいという側面、つまり危害要因が確認できませんでした。(施設や設備での問題なのか、製造段階での問題なのか、衛生管理の不備なのか、など)

そこで危害分析をするために、食品の各製造段階で、どのような危害要因があり、それに対してどのような衛生管理や安全対策をするかというHACCP(ハサップ)の導入により、その問題点を解消することが出来るようになりました。それにより、製造した食品全体の安全性を、継続して確保することが可能となるだけではなく、どのように製造、検査したかを記録するように義務付けしていますので、製造後の安全性の証明も容易に可能となります。

日本の食品製造業におけるHACCP導入の現状

100億円以上の食品販売高を誇る大規模な食品関連製造業者では、平成26年時点で、既に90%弱がHACCP(ハサップ)を導入しているものとされています。一方、1~50億円以下の食品関連製造業者では、まだ35%未満、1億円未満では15%未満しか導入しておらず、中小の事業者では、残念ながら、衛生管理における国際化への対応がかなり遅れていると言えます。

HACCP(ISO22000)導入の義務化に向けて

HACCP(ISO22000)導入は、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)による国際食品規格委員会の、食品製造業における国際的な衛生管理手法として、単に主流となってきているだけではなく、欧米の先進国では既に義務化しているところが増えて来ています。そのような流れを受け、遂に日本でも厚生労働省より、義務化の決定ではありませんが、HACCP(ハサップ)導入の方針が発表されました。2018年中に、食品衛生法や関連法の制度改正を行い、数年以内にそれを行うという予定が立てられています。これにより、食の衛生管理技術が、全体的に高まることは間違いないものの、中小の業者にとっては、それよりもさらに負担も増えることが想定されています。

ただ、その効果は、国内における衛生管理技術の向上だけにとどまりません。昨今の、日本食品への国際的な関心の高まりに対応するため、食品製造業者の中には、海外への輸出などを行うケースが増えてきています。この際に、輸出側でHACCPを導入出来ているか否かが、食品安全マネジメントシステムとして認証(認定)されているかどうか、輸出を容易にするだけではなく、海外の事業者と有利な条件での取引を可能にしてくれるからです。これにより、中小規模の業者であっても、海外における新たな販路を開拓する道が開けるというわけです。これはかなりの効果と言えるでしょう。

HACCP導入を強制(義務)とする国の方針は、経済的・技術的な負担を食品関連製造業者に取得認定を強いることが避けられません。しかし、食の安全性が高まれば、衛生管理不備などによる経営上のリスクをかなり減らせるだけでなく、消費者からの信頼に加え企業価値も高めること、そして危害分析をすることにより次へと繋げれます。また、海外という新たな需要の掘り起こしにもつながりますので、デメリット以上のメリットを享受することは、十分可能と言えるでしょう。義務化をチャンスと捉えることが重要と言えます。そして食品安全マネジメントシステムの認証取得、認定を受けることを考える時期だと言えます。

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