フードチェーンはHACCPの考え方で一本筋が通っていなければ売れない

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食の安全が問題視される中で、HACCP(ISO22000)という考え方が注目を集めています。フードチェーンや食品卸業者が遵守したい一本筋の安全管理ルールで、安定した収益をあげるための必須条件と言えるでしょう。HACCP(ISO22000)とはどのようなものか、あらためて見ていきます。あわせて食の安全との関わり方、導入に際してどのような取り組みが求められるのか確認しましょう。

■高まる安全管理意識とHACCP義務化の流れ

異物混入事件など安全管理の甘さがトラブルの引き金となった事故が相次いで、原料生産から加工工程まで含めたリスク回避施策が求められます。トラブルが発覚すると連日メディアが押し寄せて、消費者の信頼を揺るがす大きな事件へと発展します。健康被害などが出た場合は企業として責任問題になり、企業経営者など一定の地位にある人が消費者へ謝罪します。ネットで情報拡散されればブランド価値にも影響し、不特定多数の人に悪いイメージがつくものです。一度ついたマイナスイメージはすぐに払拭できず、長期安定経営のリスクとなります。

そこで検討されるのがHACCP(ISO22000)という考え方です。製造、加工工程で発生しうるあらゆるトラブルをあらかじめ分析、対応策を考えていきます。決めた対応策に基づく管理体制がとられているか各ステップを監視して、食の安全を守るための制度です。監視した結果として何らかの問題点が見つかれば、改善策を考えます。発覚した問題と検討した改善案を記録して、一定期間保存しましょう。衛生管理体制に重大な過失が見つかった場合は、社会的な責任追求も免れません。会社としてどんな取り組みをしてきたか示す資料は重要で、食に関係する仕事をしていくうえの必須事項とされています。もともとは国際的な食品規格委員会から発表された考え方ですが、世界的な取り組みとなっています。欧米諸国が日本に先んじて運用をスタート、国内でも義務化の流れが出ています。

■導入を前提に衛生管理マニュアルを作成する

HACCP(ISO22000)導入を検討する場合には、衛生管理マニュアル作成が必要です。マニュアルに盛り込むべき内容は「7つの原則」として決まっていて、規定の内容をふまえた下地作りが必須とされます。7つの原則の内容は多岐にわたりますが、大まかには下記のような項目が含まれます。

・各工程に分けた危機要因を列挙、管理手段をあげる
・加熱殺菌など危機要因に対する重要管理点を決定する
・温度や速度など重要管理点をクリアするために必要な基準を設定する
・重要管理点がクリアできていることを診ていくモニタリング方法を設定する
・管理結果の検証方法、記録と保存方法を決定する

詳細については、厚生労働省の公表するマニュアルで確認しましょう。ざっくり言うと「衛生管理に問題が生じるリスクがある箇所を特定、リスクヘッジのための重要ポイントを決めてモニタリングしていく」ということです。モニタリング結果について外部に説明を求められたときに備えて、文書記録として残します。保存方法はあらかじめ決めておく必要があり、HACCPを実施した結果を形として残すスタイルです。

■一般的衛生管理プログラム(PP)をまず整備する

HACCPは単体で機能するものではないため、前提条件として一般的衛生プログラムの整備も重要です。食品管理設備の衛生環境や昆虫対策をすることで清潔な施設を維持し、清掃や点検を徹底します。照明設備や換気扇など汚れがたまりやすい部分は定期的に点検、いつもきれいな状態を保ちましょう。従業員一人一人の意識で安全な環境を維持できるため、食中毒などの知識も必要です。機械設備のメンテナンスも重要で、汚れが残っていないか確認しましょう。水を使う施設なら、遊離残留塩素濃度を適正水準に維持します。排水がスムーズに流れているか確認して、廃棄物を適切に処理しましょう。

従業員の衛生管理については、定期的な健康診断で確認します。日々の体調チェックも重要で、感染症などの疑いがある場合は作業を控えるなどの配慮をします。作業着が汚れていると食品を扱ううえでリスクなので、毎日きれいな制服を着用します。食品を扱う前に正しい方法で手洗いして、細菌付着に配慮しましょう。全ての従業員が一本筋に衛生基準を満たすよう、職場に合わせたルール作りも必要です。

大手フードチェーンや食品製造業はもちろん、食品製造・販売などを行う全ての業者は安全管理を意識する必要があります。一定のコストはかかりますが食の安全を守るために欠かせない行程で、食中毒や異物混入事故を減らすための取り組みとされます。食に関する仕事をしている方はもちろん消費者としても、厚生労働省主体の義務化の流れを知っておく必要があります。流通される全ての商品が安全基準を満たした製品になる日は近く、しかるべき衛生管理体制を整えましょう。

ISOプロからのお知らせ:セミナー開催!

今回ISOプロではHACCPをはじめとした食品安全マネジメントシステムのセミナーの開催を予定しております。

消費者の食品に対する安全・衛星への要求が高まってきている現代で、厚生労働省が食品製造業を対象にHACCP導入の義務化の動きが出てきています。
今のうちからできる事や費用感であったり、セミナーを通じてHACCPの導入のあれこれを細かく解説していきます。

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